来年サンフランシスコに行く人は「屋根」に注目して欲しい
気候変動対策の一環として、カリフォルニア州サンフランシスコが推進してきた法令が2017年1月より義務化されます。アメリカのどの州にも先駆けて、“エコフレンドリー都市”をアピールしてきた同市の次なる一手は、町中の屋根を有効活用しようという計画です。
ソーラーパネルか、
グリーンルーフか、
2017年1月より義務化
市の発表によれば、今回の決定は現在建築中、ないしは今後新たに建設される建物の屋上部に、面積の最大30%を緑で覆うグリーンルーフにするか、あるいはソーラーパネルの設置、もしくはその両方の導入を義務付けるもの。
「どうしてサンフランシスコの屋根を有効活用しないのだろう、と多くの人たちが思っていたと思います」とは、ソーラーパネルとグリーンルーフ、両案の発起人である市の行政官Scott Weiner氏のコメント。
ところで、この法案が全会一致で可決されたのは今年4月のこと。当時は、ソーラーパネルの設置を義務付けるものでしたが、その狙いは市が掲げる2020年までに再生可能エネルギーで100%電力を供給できる都市計画に基づく施策のひとつのようです。
パネル設置に対する助成金のようなものがあるのかないのか、というところまでは不明ですが、持続可能な都市づくりに積極的な姿勢、そしてこの辺りの意思決定と法整備は、さすがサンフランシスコという気がしてなりません。
それというのも…、
「環境先進都市」が目指す
持続可能な町づくり
これまでにもサンフランシスコは、2020年までの焼却・埋め立てゼロ(せろ・ウェイスト)を公約に掲げ、全市民への生ゴミのリサイクルを義務付ける条例を世界で初めて施行したことでも知られています。
観光都市であるこも大きな要因かもしれませんが、オークランドなどでは町の至るところに色分けされ分別されたゴミ箱を見かけます。家庭ゴミを出されるからと、ゴミ箱を撤去してしまう東京とはだいぶ温度感が違うことは、訪れるたびに驚かされる点。
さらにはベイエリアでのエコ・グリーン意識への高まりなど、アメリカの中でもやはり先駆的存在として、気候変動や温暖化への問題と向き合ってきました。
もちろん、その全てがワークしている訳ではないのでしょうが、“環境先進都市”としてのイメージはしっかり定着しています。
次回、彼の地を訪れる際は、建物の屋根にも注目する必要がありそうですね。