「歩いて発電できる」道路が、ロンドンに。

ロンドンのウエスト・エンドに位置するバードストリート。ここに、「歩いて発電する道路」が設置されています。

「踏む力」を電気に変換

2012年のロンドンオリンピックに合わせて、イギリスの企業Pavegenが開発したこの歩道。当時は歩道橋に設置され、夜の照明の電力供給源として活躍しました。

Pavegenは、道路に埋め込まれた発電装置。人が踏むことによって5mmほど沈み込み、その荷重を電力に変換する仕組みです。1歩あたりの発電量は5ワットとわずかなのですが、人が道を歩き装置を踏むことだけで発電されるので、環境に優しく費用もかからないというメリットがあります。

バードストリートでは、その電力は昼間は鳥のさえずりの音声に、夜間は住宅街の木々を照らす照明に使われています。

自分の歩行がエネルギーを生み出す瞬間を目の当たりにすると、自分たちの生活に必要なインフラを自ら作り出すことの価値に気付くことができそう。

エネルギー問題を改めて考えるきっかけが自分の住む街にあるということは、とても魅力的です。

自分の一歩が
優しいエネルギーに

Pavegenは2017年現在まで改良を重ね、初期の試作品に比べると発電効率も600倍まで上がったのだとか。またGoogleと提携して、ベルリンで行われた「Festival of Lights」の照明エネルギーとしても活用されました。

ハイデルベルクに設置された26平方メートルの敷地内には176のライトパネルが設置されており、Pavegenの装置を踏むたびにライトが光るという参加型の芸術作品として注目を集めました。

恒久的なエネルギー供給のひとつとして注目を集めるPavegenは、今後も新たな発展を目指して世界の各企業や地域との提携を進めていくことでしょう。

自分の小さな一歩が地球に優しいエネルギーになる。そんな素敵な世界の実現も、そう遠くない未来に待っているかもしれません。

Licensed material used with permission by Pavegen
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。