貧乏ゆすりさえもエネルギーに変える「自家発電チェア」が開発中
これまでネガティブな印象しかなかった「貧乏ゆすり」を、まさかの逆利用で発電させてしまう、画期的な椅子が登場。あの無意識のストレス発散が、周囲の人にもエネルギーを還元できるようになる!かも。
ゆらゆら・ギシギシ
振動を電力に変換!
「Moov」と名付けられたこの椅子を開発したのは、アントワープを拠点に活動を続ける家具デザイナーのNathalie Teugelsさん。まだ、試作段階ということもあり、だいぶスッキリした作りの椅子に見えますが、この華奢なフォルムに驚きのテクノロジーを秘めているんです。
たとえば、こちらの動画のように、Moovに座った状態で床をコツコツ(貧乏ゆすりと呼ぶには大人しすぎますが)。これだけでも、ダイナモ発動するんだとか。もしかしたら、この椅子をオフィスに導入するだけで、本当に1フロア分の電力がまかなえちゃうかもしれませんよ!
なんてことが、絵空事ではないかもしれません。なぜって発電方法は他にも、ゆらゆら「背もたれ」に寄りかかっているだけでもOKだっていうんだから。
秘密は座面にあるようです。圧力が加わると電位を生じる“圧電素子”の結晶板が合計288個座面シート下に組み込まれていて、椅子に座って動いたり揺れたり、圧力が加わることで電気ができるという仕組み。
いささか細くて頼りなさそうに感じるブルーの「肘掛け」にはUSBポート。スマホの充電をしながらゆらゆらすれば…、ご覧のとおり充電完了!どのくらいの量の電力を発電できるのかなどの詳細は、残念ながらよく分からない。そのため、まだまだ実用化とはいかないのかもしれませんが、微量でも座りながらにして発電できる椅子なんて、画期的だと思いませんか?
自身の「ADHD」経験もポジティブに変換
ところで、Teugelsさんのこのアイデア、じつは自身の過去のADHD(多動性障害)体験がベースにあるんだそう。
「じっと座っていることができない人々のことを否定的な目で見ずに、有用エネルギーを生み出すことで、彼らの性格をポジティブに捉えてほしい」
自身のつらい経験を革新的なデザイン・テクノロジーに落とし込んだTeugelsさん。Moovが目指す未来はそこにある?