日本発!台風さえもエネルギーに変える「マグナス式風車」って知ってる?

風車と聞くと、誰もが、あの巨大なプロペラ付きの施設を思い浮かべるはず……。しかし、最近そんな“風車の概念”を変える発電方法が注目を集めている。

日本発のベンチャー企業「株式会社チャレナジー」が開発するのは、「垂直軸型マグナス式風力発電機(以下 マグナス風車)」と呼ばれる風車。

この風車、特徴的なあのプロペラが付いておらず、代わりに付けられた円筒が風を受けることで「マグナス力」と呼ばれる力で回転。そうして電力を生み出すという仕組みなのだ。

通常の風車は、風を利用して高効率で発電ができるが、強い風が吹いた場合には暴走を起こすため、発電を止める必要があり、時には故障・倒壊に繋がることもある。

このマグナス風車は、そんな時にこそ本領を発揮する。「台風もエネルギーに変える」の標語通り、最大で風速40m/秒まで安定的に発電が行えるという利点を持つのだ。

そして先日の8月下旬、石垣島における実証実験を経て、フィリピン共和国バタネス州でマグナス風車のフィリピン初号機を設置され、本格稼働を始めたことが報道された!

©株式会社チャレナジー

7600以上の島で構成される島国フィリピンでは、約800万人未電化地域に住んでおり、毎年訪れる台風の数は日本の約3倍。

既存の風車と違って、重機を使用せず設置もできる「マグナス風車」は、このような特性を持ったフィリピンにはピッタリの発電方法で、同社は、今後フィリピンの島国に安定したエネルギーネットワークを構築することを目標としているようだ。

ちなみに創業者の清水敦史氏は、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故をきっかけに、大企業を辞めて、新しいクリーンエネルギーの発電方法を模索したという人物。

今後、ますます注目を集めるであろうこの革新的な風力発電に、大きな声援を送りたい。

Top image: © 株式会社チャレナジー
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