このグミ、元々は「風力タービン」でした。究極のアップサイクル、実現なるか。
8月末、「American Chemical Society(アメリカ化学会)」が、廃棄される風力タービンは車の部品やオムツ、グミなど、様々なプロダクトの製造に有効活用できるという旨の研究について発表した。
環境に負荷をかけにくいとして再生可能エネルギーに注目が集まっているが、そのデメリットは廃棄に関する問題。というのも、タービンブレードはガラスやレジン、カーボンなどからできており、それぞれを別々にすることが非常に難しいため、現状だと埋め立て処理するしかないのだ。
アメリカ化学会の研究によれば、新たな複合樹脂を生み出せば、そんな課題を解決できるかもしれないとのこと。
この複合樹脂はタービンブレードから取り出した後は、アルカリ性溶液に漬けられる。そうすることでアクリル樹脂を生成でき、窓や車の部品に使用できるそう。
また、その温度を変えれば、メタクリル酸が生み出され、オムツに利用できるという。そして、乳酸カリウムも副生されるため、キャンディーやスポーツドリンク、さらにはグミにもできるのだとか。
研究者であるJohn Dorgan博士は、この仕組みに関して下記のようにコメントしている。
「とうもろこしや草などの植物から得られる炭素原子は、化石燃料からえ得られる炭素原子と変わりません。すべては炭素循環の一部で、私たちはバイオマスからプラスチック素材を作り、それを食品にもできることを示したのです」
究極のアップサイクルともいえる、食品への転換。風力タービンから生まれたグミは、はたして世の中で流通することになるのだろうか? 注目だ。
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