ニュージーランド政府の野心的な目標。2025年までに温室ガス実質ゼロへ!
12月2日、ニュージーランド政府は2つの約束を打ち出した。
1つ目は、「気候非常事態」の宣言・施策を通して、地球温暖化による1.5℃以上の気温上昇を避けること。2つ目は、2025年までに公的部門を「カーボンニュートラル」にすることである。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量を減らしながら、植樹などで二酸化炭素の吸収量を増やすことで相殺し「排出量が実質ゼロ」という状態を指す。
アーダーン首相は、宣言の発令に先立って「この宣言は、次の世代を認識するためのもの。もしも私たちが今すぐに行動を起こさなければ、未来の彼らに背負わせてしまう重荷を、認識するものです」と議会で述べ、賛成過半数で可決。
10月の議会では、農業を除外して2050年までの排出量ゼロ化を目指した「ゼロ・カーボン法案」を可決し、新規の海洋石油、ガス探査を禁止していたが、今度は一番の難関である「農業」へメスを入れる形となる。
というのも、ニュージーランドの温室効果ガス排出量の半分近くは、農業によるものであるからだ。
今回割り当てられた2億NZドル(約147億円)の予算は、石炭ボイラーの交換や、電気自動車やハイブリッド車購入の支援にあてられる。これらは、ビニールハウスの空調や農業用機材の排出量削減に有効だ。
実質4年でカーボンニュートラルを達成する過程には、困難が待ち受けているだろう。だが、迅速、丁寧、そして確実な対応で新型コロナウイルスのパンデミックに向き合ったアーダーン首相ならば、やり抜いてくれるのではないだろうか。
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