「くつろぐ」だけが、今どきコインランドリーのあり方じゃない!
洗濯しながらドリップコーヒーを楽しんだり、食事をしたり、PCを開いたり……昨今のランドリーは、洗濯の時間をつぶす様々な「目的」を有している。が、ランドリーの機能は、必ずしも“くつろぎ”を目的としたものとは限らない。
先月末、千葉県印西市のスーパー「ナリタヤ印旗日本医大前店」にオープンした「ブルースカイランドリー」に注目したい。じつはこれ、災害対応型のランドリーだ。
LPガス非常用発電ソリューションを活用し、災害時の停電などにも対応する同ランドリー。それは、たんに災害時でも洗濯ができるというだけにあらず。
「標準仕様」として、3日分のLPガスを貯槽できるLPガスタンク、さらにはポータブル発電機への接続が可能な設備を完備する。ポータブル発電機はガスを利用して発電する仕組みで、たとえば携帯電話の充電などへ電力供給することができる。
それだけなじゃい。店舗にはガスコンロとガス炊飯器を導入することで、有事の際には被災者向けの炊き出しも可能。
なるほど、災害対応型ランドリーとは、そういうわけか。もちろん、スーパーや商業施設併設という点も、災害時には食料品、日用品を確保しやすいという利点を活かしてのもの。
ランドリーに緊急シェルターとしての機能を——。
教訓となったのは、令和元年に発生し、千葉県に甚大な被害をもたらした房総半島台風。県内で大規模な停電が発生するなか、停電を免れた地域のランドリーには、連日多くの人々が洗濯に訪れたという。
「災害時、コインランドリーが救済にならないだろうか」。ランドリーを全国展開する株式会社ジーアイビーは協議を重ね、災害対応型店舗の発案に至ったという。
現在、全国136店舗のうちの23店舗に導入。新規店舗はできるだけ災害対応型として出展する方針のようだ。
備えあれば憂いなし。たとえ、それがランドリーだったとしても。