作業着からファッション、そしてカルチャーへ【ジーンズが生まれた日】
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
ジーンズが誕生した日
ときはゴールドラッシュの真っ最中。一攫千金を夢見た人々が米国内だけでなく世界中から大挙してアメリカ西海岸を目指した、そのころのお話です。
金鉱で働く人々は、その仕事内容や労働環境から、作業時に着ている衣類がすぐに被れたりほつれてしまうことに頭を悩ませていました。
「丈夫なワークウエアがほしい......」
サンフランシスコはカリフォルニア・ストリート沿いで衣料品の卸業を営んでいたリーバイ・ストラウスは、そんな声に応えるため、それまでにない画期的なアイデアを盛り込んだ作業用のズボンを開発します。
要となる箇所に金属製の鋲(リベット)を打ち込んで強化をはかった作業用ズボン。今から150年前(1873年)の今日、その構造で特許が取得されて完成したのが世界初のジーンズであり、現在も多くのファンをもつ「Levi’s 501」の原型です。
まさに、現代の製造業やマーケティングなどの世界で最重要視される“ユーザーズファースト/消費者視点(起点)”こそが、誕生から150年たった今でも世界中で愛され続ける大きな理由のひとつであることに間違いありませんが、はじめてジーンズを生み出した「リーバイ・ストラウス」社は、そのほかにも、現在の社会にとって重要なイシューを世に訴えた企業でもあります。
1950年代、新工場を設立するにあたって、
私たちはそれを、人種差別が強く残る
アメリカ南部を変革する機会だととらえました。
「人種差別を続ける南部の町には、新工場を設立しない」という
メッセージを発信したのです。
そんな、いつの世もつねに人と時代に寄り添ってきた企業が、ジーンズ誕生という記念すべき日にオンラインイベントを開催したので、興味があれば、ぜひ。