気象庁が「梅雨入り発表」を断念せざるを得なかった、1963年あの夏。

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

気象庁「梅雨入り」の発表を断念

今年、異例の早さで明けてしまった梅雨。

気象台からの発表により沖縄・奄美地方を除き、もっとも早く梅雨明けとなったのが、関東甲信地方、東海地方、九州南部で、ともに6月27日ごろ。平年に比べ20日ほど早く、わずか3週間ほどで梅雨が終わったことになります。

各地で史上最短の梅雨となった2022年ですが、じつは過去には梅雨入りさえしなかった年があるのをご存知ですか?

そもそも、気象庁より発表される梅雨の入り明けがどのようにして決まるかといえば、春の終わりごろに曇りや雨の日がしばらく続いたら「梅雨入り」。逆に、ジメジメの曇天続きの日々が晴れわたり暑い夏の天候へと季節が変わったら「梅雨明け」という、なんともファジーというか、アンニュイで体感的なもの。

それというのも、具体的に「雨がどのくらい降ったら」というような明確な基準が存在しないからなんだとか。

入りも明けも数日間の移り変わりの期間(平均5日間程度)があるため、ニュースをよく聞いていると「〇〇日に梅雨入りしたとみられます」のような推測での表現になるんだそう。

つまりは「桜の開花宣言」と違い、梅雨入りについて断定することはできない、というわけです。

ちなみに梅雨入りと梅雨明けの正確な日は、梅雨が過ぎてから気象庁が気象庁が実際の天候経過を考慮した検討を行い、その結果を「梅雨入りと梅雨明け(確定値)として発表されます。

それでも、いったいいつ梅雨入り、梅雨明けしたのかが判然としない年もあるというんだから、自然とは不思議なもの。「梅雨入りと梅雨明け(確定値)」を見ていくと、過去に梅雨入りをしなかった(判別できなかった)年があります。

1963年のこと。この年、四国地方、近畿地方、北陸地方における梅雨入りの発表を断念。これは史上初めてのことだとか。

なんとなく雨のが降ったり、晴れ間が続いたり……。気まぐれの空模様に梅雨入り発表しないままが梅雨明けた。なんだか、今年の異例の速さとも通づるものがあります。

逆に梅雨明けが判然としないことは、東北地方を中心に2000年以降多々あるようで。2001年、03年、09年、17年、直近では2020年も東北地方は梅雨明け発表なしで夏に突入。

日本に四季があるように、梅雨も必ずやってくる。ただし、季節の移り変わりはとっても不明瞭なもの。というお話でした。

まさか、いまから梅雨再突入とはならないでしょうけど、このところの異常気象。いつなにが起きても、不思議じゃありませんよね。

それにつけても……今日も朝から、暑過ぎるってば……。

 

 

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