「多様な場とモビリティ」で実現するウェルビーイングとは。鎌倉で一夜限りのトークセッション!

次の時代の社会や、暮らしを考える上で欠かせないキーワード。

ウェルビーイング。

耳にする機会や、なんとなくその言葉のもつニュアンスはイメージできるけれど、説明してみて! と言われるとこれがなかなか難しい。

そんな奥深きウェルビーイングと多様な場やモビリティを繋げながら、その可能性を探っているのが、ヤマハ発動機のTown eMotion(タウンイモーション)というプロジェクト。モビリティは、まちの幸福度や活力、潜在能力にどのような価値を提供していくのでしょうか。

ここでは、2022年9月24日(土)に、鎌倉にあるオープンコミュニティスペース「ひとまちラボ鎌倉」で開催されたトークイベントの様子をレポートします。

Town eMotion(タウンイモーション)って?

ヤマハ発動機が、社会課題を起点として、まちなかで人や社会のWell-beingを向上させる提案を、さまざまなステークホルダーと共創しながら実現するための研究開発活動のこと。

“多様な場とモビリティ” で実現する
Well-being

この日は、ヤマハ発動機の「Town eMotion」に共感しているステークホルダーの方々を集め、「“多様な場とモビリティ” で実現するWell-being」というテーマでトークセッションを開催。

(左から)
ファシリテーター・鎌倉FM放送の小松あかりさん
予防医学研究者・博士の石川善樹さん
Town eMotion プロジェクトリーダーの榊原瑞穂さん

の3名が登壇し、ウェルビーイングを実現するために必要な考え方や、ヤマハ発動機が場づくりや移動の多様性をどのように考えているのか、意見交換が行われました。

ウェルビーイングって
なんだろう?

トークセッションでは、予防医学博士の石川善樹さんによる多角的な「ウェルビーイング」の捉え方を中心に、縄文文化や、日本の近代史などに関する深い造詣も交えながら、有意義なディスカッションが繰り広げられました。

これには、さまざまな形でヤマハ発動機や鎌倉のまちづくりに関わる人たちも大きくうなずいたり、ノートにメモを取りながら楽しそうに聞き入っていました。

とくに興味深かったのが、「ウェルビーイングとは何か」という議論と「ウェルビーイングの要因は何か」という議論は、まったくの別ものだという見解。

人それぞれあまりにも捉え方が異なるウェルビーイングを定義するのは難しいけれど、ウェルビーイングを体現するための要因には、一定の傾向があるというもの。

Town eMotionには、必見のトークセッション全文が掲載されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

→詳しく知りたい

鎌倉の気持ちいい風を浴びながら
フリーセッション

会場として使用された「ひとまちラボ鎌倉」は、普段はみんなでワクワクできるまちの実験ラボとして、気軽に立ち寄って休憩していただいたり、鎌倉のマップ作りや、地元クリエイターや事業者の参加型イベントを実施したり、新しい電動モビリティの展示・体験会などをしているそうです(期間限定で10月下旬までの予定)。

トークセッション中も、ウェルビーイングはさまざまな関係性のなかで生まれることや、これからは身近な距離感での「移動の多様性」が大切になってくることなど、モビリティの未来についても話され、改めてTown eMotionの目指すべき姿が見えてきたのではないでしょうか。

トークイベントのあとは、徐々に涼しくなってきた鎌倉の夜風に吹かれながら、思い思いにまちづくりプロジェクトに関する意見交換や、用意されたケータリングやドリンクをいただきながら活発に交流がおこなわれました。

\参加したみなさんのVOICE/

東京大学名誉教授:秋山弘子さん

「私もこのすぐ近所に住んでいるんですが、鎌倉にこういう場ってなかったんですよ。今日は随分多様な方たちが参加されていて、とても良かったですね。いま、新聞を開けばウェルビーイングという言葉が5ヵ所はあるくらい浸透しているものの、実際はみんな『どういう意味?』という感じで分からないと思うんですよ。そういう意味では今日はいろいろなアイデアが出ましたし、みなさん考えるきっかけになったんじゃないでしょうか。11月5日〜6日に、由比ヶ浜で「MOBILE LIFE鎌倉」をテーマに “人生100年時代“ の新しいライフスタイルが体験できる参加型オープンイノベーションイベントをやりますので、そちらにも立ち寄ってみてくださいね」

日本自動車研究所/森田賢治さん

「普段は自動車の試験法や、法規を作るためのデータ・実験などを専門にしています。モビリティは人を幸せにするために存在するものだと思うんですが、今まで車の性能を良くしたいとか、安全性を高めたい、ということばかりやってきたので、これからは今日のお話のように街づくりとモビリティの関係や、ウェルビーイングについても学んでいきたいなと感じました」

日建設計総合研究所/渡部裕樹さん

「僕は設計事務所で、建築というジャンルでのウェルビーイングや場づくりを社会実験しているのですが、ヤマハ発動機さんの取り組みにもとても近しい感覚を受けました。石川さんがbeingは『間(ま)』だという話をしていましたが、まさに我々が専門としている空間にも『間』という文字が入っているので、いろいろ繋がっていくんだなととても興味深く聞くことができました。考え方も整理できたし、今後の自分の仕事にも活かせそうです」

東京アールアンドデー/山内誠さん

「私はヤマハ発動機さんの小さい乗り物を作るほうを一部お手伝いしている者ですが、今日のウェルビーイングの話がとても腑に落ちたというか、納得感がありました。僕自身もウェルビーイングってぼんやりとしかわからなくて、それに対して『定義はない』という話も分かりやすかったですし、やはり人それぞれ自己の満足度がポイントなんだなと思いました。『移動』に関しても、制約や制限をなくすことでウェルビーイングが高まると思いますし、そこでも選択肢がたくさんあるということが大事なんだなと、整理できました」

スマートシティ・インスティテュート/南雲岳彦さん

「普段からヤマハ発動機の榊原さんや、今日登壇されいていた石川さんと一緒にウェルビーイングの指標を作ったりしています。その指標も鎌倉のために準備しているものなので、今日もとてもいいイベントだったんじゃないかなと思います。アフターイベントで交流会ができるくらいのコンパクトな規模感も良かったですね。様々な方とすぐにSNSで繋がることもできますし、トークセッションも楽しめました。鎌倉は神奈川随一とも言えるくらい民度の高い街なので、歴史や文化、自然環境も共存させながら着実にスマートシティ構想を進めていければと思います」

さまざま業界の人たちの共創が始まる予感を感じさせながら、盛況のうちに幕を閉じた、本イベント。

→ この日のトークセッション内容についてはコチラをチェック!