閉館後の美術館でインスタグラマーが大暴れ。#emptyってナンダ?

六本木・森美術館で6月11日(日)まで開催中の『N.Sハルシャ展-チャーミングな旅-』が、SNSに特化した(とも思える)独特の手法で展示をし、観客を集め、大きな話題となっています。

ではここで質問、以下のビジュアルどこかで見覚えがありませんか?

一夜限り!
「空っぽの美術館」で撮影会

見たことある!という人、その投稿には「#emptymoriartmuseum」とハッシュタグが付いているはず。じつはこれ、去る4月25日に、森美術館とインスタグラマーがコラボした、一夜限りのイベント「#empty」で撮影されたもの。ちなみに写真は、6万5千人を超えるフォロワーを抱えるインスタグラマーkenta_soyoungさんの投稿でした。

閉館後、空っぽになった美術館で自由に撮影を楽しむことができる。#emptyのタグで海外の美術館で2013年よりスタートし、メトロポリタン美術館や、ルーブル美術館でも実施された人気企画だそう。

「拡散」前提、撮影OK!
でも、ホンモノはここにしかない

美術館をはじめ多くの博物館では、作品の撮影を厳しく禁止するルールがあるなかで、あえて撮影を許可し、SNSによる拡散もよしとする。考えようによっては、ものすごくチャレンジングな試みにも聞こえますが、今展のアーティストN.S.ハルシャは、告知のビラを配るのもSNSで拡散されることも同じという考えの持ち主。

けれどもちろん、そこには画面の中だけで作品を解釈することはできない、という真意も込められているようです。

「アーティストである以上、会場へと足を運び、体感してもらうことが何よりのよろこびです。リアルこそ、人の心を震わせるものだからね」。

実際にその場を訪れ、作品の中へと入り込み、あえて体験したくなる空間をつくりあげた展示も、#emptyという手法でアートの楽しみ方を伝える方法だったのではないでしょうか。

作品とのコラボを楽しもう

閉館後の撮影会というイベントは一夜限りでしたが、今展は常時撮影OK、だれでも自由に作品と一体化して楽しんだり、その様子を投稿することもできるということ。

完成されたアーティスト作品を鑑賞するだけが、美術館の役目ではないのかもしれない。作品にとけ込むように、時間を忘れて鑑賞したり、ユニークな見せ方にアーティストや美術館側もチャレンジしていく、現代アートは絶えず進化を続けているんですね。

【展覧会概要】
N.Sハルシャ展-チャーミングな旅-
期間:6月11日(日)まで
時間:10:00〜22:00(火曜日は17:00まで)
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
入館料:一般1,800円

Licensed material used with permission by N.S.ハルシャ展, xiaoz23, kenta_soyoung, kuri_hibi
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。