街角にはみだす「路上の園芸」は、エンターテインメントそのものだ。
住宅や店舗の軒先で楽しむ園芸。
どの街を歩いても、家主や店主の個性が炸裂する園芸に出会うことがございます。
これぞ芸事!と唸ってしまうようなものから、意図していない空間からひょっこり緑が顔を出すような、まさしく偶然の産物まで。
もう、どこまでが狙いでどこからが偶然なのかもわからない。そういう路上の園芸になんとも言えない“妙味”を覚えるわけであります。
登り降りできないよな〜とか思ってみたり
ギリ、店名が読める究極のコラージュだったり
建物より存在感アリだったり
ガラスも侵食されちゃいそうだったり
メッセージがやったら映えだったり
絶妙なアーチにきゅんとなったり
ザ・昭和な佇まいに入らずとも「名店」を確信したり
古いミシンがいい味出してたり
履き古したスニーカーがご機嫌だったり
なんなら、デニム履かせてみたり
「オイ!見テルゾ!!」だったり
とまあ、こんな具合に心ときめく路上園芸を探しに散策するわけでして。どの街行ってもキョロキョロするわけであります。
ところで、路上園芸鑑賞の第一人者といえば、やっぱり村田あやこ先生でしょう。
路上のちょっとしたはみ出しものやポット代わりに想像もつかないようなモノに植わった植物を写真に収めたインスタは必見ですし、近著『はみだす緑』もおすすめにございます。
都市部は緑が少ない──。
はたして、本当にそうでしょうか?目を向けさえすれば、商業施設の隙間にもコンクリートのビル群の足元にも、思わぬところから緑が顔を出しているに違いありません。
手入れの行き届いた植物園もいいけれど、路上の園芸もまた乙なものにございます。村田あやこ先生にならって、これからも街角ではみだす園芸や植物を見守っていきたいと思います。
「おやつなトピック」って?
Z世代のインターンから、この道うん十年のベテラン編集者まで、TABI LABO“ナカの人”がリレー形式で担当するコラムです。