観葉植物として飾りたい。アボカドの「水栽培」での育て方
鮮やかなグリーンの果肉を持ち、栄養価が高いことから、「森のバター」とも呼ばれ、人々に親しまれているアボカド。真ん中にある大きく堅い種は、水栽培をすることで、観葉植物としても楽しめます。自宅で簡単にできるアボカドの水栽培による育て方を紹介しましょう。
水栽培を始める前に、
アボカドの種を準備しましょう
アボカドは、冷やすと発芽率が下がってしまうため、食べ頃になるまでは冷蔵庫には入れず、常温にて室内で保存します。アボカドを食べるときには、真ん中にある大きな茶色の種を、包丁かスプーンを使って取り出します。取り出した種は、薄めの洗剤を使って、果肉や油分を洗い流します。水栽培をするときに、果肉がついたままでは、水が腐りやすくなりますし、果肉には発芽を抑制する成分が含まれているため、しっかりと取り除きましょう。たわしなどでゴシゴシと洗うことで、細かい傷が種の表面につき、吸水性が高まります。
アボカドの種を、
水栽培用の容器にセットしましょう
まず、爪楊枝4本程度と、アボカドの種がすっぽりと入る大きさのカップやグラスを用意します。
アボカドの種を入れる容器には、半分程度の高さまで、水を入れておきます。アボカドの種には、上と下があり、とがっているほうが上、平らになっていて丸い輪が付いているほうが下ですので、最初に確認しておきましょう。
水が入っている容器に、アボカドの種の下から3分の1~半分程度が浸かるように位置を決め、種とほぼ垂直に、種を支えるように爪楊枝を十文字に挿し、種を定位置に固定します。種全体が水に浸かっていると、呼吸ができなくなり腐ってしまいますので、注意しましょう。
発芽までの過程を
楽しみましょう
容器にセットしたアボカドの種を、室温20度以上の環境に置いておくと、はじめに、種の底が割れて根っこが出てきます。ガラス製などの透明な容器にいれておくと、根っこの成長過程が観察できます。
水栽培を始めてから約1ヵ月が経過すると、種の真上の部分が割れて発芽し、約半年後には、きれいな緑色の葉っぱを数枚つけ、部屋を飾る観葉植物としても十分に楽しめます。
アボカドの水栽培では、容器の水をこまめに取り換えて、いつも清潔に保つことが大切です。
発芽してきたら、
鉢に植え替えましょう
アボカドの木は、地植えであれば、高さが20mにもなりうる常緑樹木で、鉢植えで育てる場合には、使用する鉢の大きさによって、ある程度はコントロールすることができます。
鉢の中に入れる土は、酸性で水はけが良いものが最適ですが、用土ならば観葉植物用のもので構いません。根詰まりをすると、根が腐る原因となりますので、鉢から根っこが飛び出してきたら、大きめの鉢に植え替えしてあげましょう。植え替えをする際には、根っこの周りの土を取らずに、そのまま移し替えます。幼木のころには、枝が細く折れやすいため、支柱をつけて固定すると安心です。
こまめに手入れし、
部屋を飾るオシャレな観葉植物に
成木に成長するまでの期間は、こまめに剪定し、風通しがよくなるようにお手入れをします。さらに、木の高さを調節するためにも、切りこみ剪定をして、美しい形状を保ちましょう。例えば、1年間剪定をしなければ、あっという間に1mくらいの高さになります。
日当たりが良く、暖かい場所を好みますので、室内のオシャレなアクセントとして、リビングやダイニングに置かれるとよいでしょう。
水が不足している場合には、葉っぱが下方を向きますので、鉢の中の土が湿り気を持つ程度に、水やりをすることが大切です。
冬場には、最低でも室温が5度以上になる場所におき、状態に応じて、ビニールをかぶせるなどの寒さ対策が必要です。
年間を通じて鮮やかな緑を楽しめる、アボカドの観葉植物としての魅力と育て方をご紹介してきました。今までは、アボカドの種を何気なく捨ててしまっていた方も、水栽培でアボカドを種から育てることによって、観葉植物としての楽しさを満喫してみませんか?