ついに解読!メアリー・スチュアート女王が斬首刑前に暗号で書いた57通の手紙の中身とは?

かつて、イングランド女王・エリザベス1世の暗殺を企てたとされる人物がいた。

それは、スコットランド女王のメアリー・スチュアート。彼女は王位継承者であることを主張し、エリザベス廃位の陰謀にも関与していたとされている。

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メアリーはエリザベス1世にとって脅威とみなされ、イングランドに19年間幽閉される。そして、1587年2月8日、斬首刑に処された——。

それから400年以上もの時を経て、なんとメアリーが書いた57通書簡が発見されたらしい。どうやら、幽閉中にフランスの駐イングランド大使ミシェル・ド・カステルノーに宛てたものとのことだ。

そんな秘密の手紙は、複雑な暗号で記されていたという。

内容の把握は難しく思われたが、フランスの暗号学者ジョージ・ラスリー氏、ドイツの音楽教授ノルベルト・ビエルマン氏、日本の物理研究者である友清理士氏のチームが解読に成功。

ついに、書簡の内容が明らかになったらしい。

書簡には主に外交的な内容が記されており、エリザベス1世が解放交渉に誠実ではないことへの批判などが書かれていたとのこと。

また、自身の健康面に対する不安なども記されていたんだそう。

今回の暗号はこれまでイタリアに関係するものと考えられていたが、じつはフランス語だったそうだ。メアリーがフランス好きであったことも、関係しているのかもしれない。

使われていた暗号は「ホモフォニック暗号」で、1つのアルファベットに複数の暗号を充てられるもの。これにより、特定の暗号が頻出するのを避けられるそうだ。

ちなみに、暗号化されていた文字数は膨大で、なんと15万ほどとのこと。

しかも、コンピューターだけでは解読できず、手作業での分析も必要だったらしい。また、解読後の文字数は5万語に及んだという。

今回の解読成功により、メアリー幽閉期に関する新たな発見が期待できるかもしれない。また、ほかにも書簡がある可能性は高いんだとか。

映画『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』や戯曲『Mary Stuart』など、多くの作品のテーマになっているメアリー・スチュアート。

今回の暗号解読により、新たな解釈を加えた芸術作品が登場するかもしれない——。

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