VTuberとeスポーツの交差点「ぶいすぽっ!」のブレーンが語った
VTuberの存在はわかりやすく言うと…

VTuberは既に
配信コンテンツから飛び出している

VTuberがオフラインに繰り出す理由

VTuberの集団であるからには、彼女たちの主戦場は配信をはじめとしたオンラインプラットフォームだ。ファンがふと、TwitchやYouTubeを開けば、総勢20名近くのVTuberを抱える「ぶいすぽっ!」の誰かしらが配信しており、仕事終わりや夕飯を食べながら視聴していることだろう。

興味深いのは「ぶいすぽっ!」とそのファンたちのコミュニケーションの日常が、お互いの家にあること。そう考えると、配信上のコメントやSNSを通したコミュニケーションを日常とするカルチャーにとって、オフラインイベントはかなりの“非日常性”をもつ。

「ぶいすぽっ!」は、非日常な空間がファンにとって特別な意味をもつことにこだわり続けてきた。

例に、「ぶいすぽっ!」が昨年開催した、「文化体育祭」がある。実際の学校を完全に貸し切って行われた文化体育祭は、そこまでするかと言わんばかりの学生生活に戻った感じが詰め込まれていた。

細部にまでリアルな学びの園の雰囲気をつくりだし、貴重なファン同士のリアルな交流が演出された。会場に足を運ぶコアなファンの期待を超えるイベントにすることを特に意識しているという、運営側の熱量を感じずにはいられない。

今回、ぴあアリーナで開催された「RAGE×ぶいすぽっ!」のイベントもやはり同様に、ファンの期待を容易に超える“本気”の大会を開催したいという意図があった。ゲームに本気な姿でファンを勇気づける「ぶいすぽっ!」が大切にしてきた価値に加え、本気な彼女たちを一丸となって応援するファンの一体感を生み出すことを目指したという言葉に納得だ。

事実、イベント開始のカウントの時点で、ぴあアリーナを埋めたファンの掛け声は圧倒されるものになっていた。

© RAGE VALORANT 2024 feat.VSPO!

「ぶいすぽっ!」が描く
VTuberの未来

YouTuber市場が一気に広がりはじめて、はや10年以上。様々なメディア露出、プロモーションの場に彼らが繰り出したのと同じような経路を、いまVTuberが辿っている。

テレビのような一方向的なメディアにはないインタラクティブなコミュニケーションや、視聴者が主体的にエンタメを選べる現代だからこそ、コンテンツの量と種類を増やすことは必要だ。

「やっぱりフルダイブできたら一番いいですけどね。画面越しにしか、どうしてもコミュニケーションできない部分があるので……」。

そう本音をこぼしながらも山本氏は、近年急速に進化を遂げるモーションキャプチャーやVR関連技術に期待を膨らませる。

VRで対面するフルダイブという新たなカタチで推しと出会うことができる未来は、バーチャルとリアルの境目を融解させ、ますますVTuberの魅力が世間に認められることだろう。

Top image: © RAGE VALORANT 2024 feat.VSPO!
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。