VTuberとeスポーツの交差点「ぶいすぽっ!」のブレーンが語った
VTuberの存在はわかりやすく言うと…

去るゴールデンウィークの最中、横浜・みなとみらいの「ぴあアリーナMM」にて開催された「ぶいすぽっ! RAGE VALORANT 2024 feat.VSPO!」。それは、今までに類を見ない、VTuberが主役となる有観客型eスポーツイベントだった。

今や、日本を代表するカルチャーのひとつにまで成熟したVTuber。普段はオンラインを主戦場とする彼女たちが、“リアルな現場”に多くのファンを集めて催されたイベントの裏で、eスポーツに特化したVTuberをコンセプトとするプロジェクト「ぶいすぽっ!」を運営する株式会社「バーチャルエンターテイメント」取締役・山本瑶司氏に話を聞いた。

ゲームがうまくてかわいい女の子集団
「ぶいすぽっ!」って、ナニ?

RAGE VALORANT 2024 feat.VSPO!
© RAGE VALORANT 2024 feat.VSPO!

本気でゲームに取り組む彼女たちのオリジナルキーボードはもちろんプロ仕様

簡単にいえば、「ぶいすぽっ!」はゲームに本気で取り組むメンバーが集まってeスポーツの魅力を広げていく、次世代Virtual esports プロジェクトだ。

VTuberとしての配信活動に加え、eスポーツ大会への出場、さらにはオリジナルアニメや楽曲なども展開している。発足は2018年、日本国内でeスポーツの火種がつき始めた頃、プロやストリーマーは男性中心だった時代まで遡る。

結成当初から在籍する花芽姉妹によるプロ選手が参加するスクリム(練習試合)への挑戦などを通して、当時類を見なかった、ゲームが特段上手な可愛い女の子集団という新たなジャンルを切り開き、異彩を放つ存在でありながら本気でゲームに取り組む姿で人々の心を動かしてきた。

VTuberの世界観
どう伝えるか?

海外からの注目度も増すVTuberだが、彼らには独自の世界観や言い回しが存在するが故に、その良さを理解するのには多少のハードルが存在するのもまた事実。

では、「VTuberの良さとはなんたるか」をどのように説明すべきか、VTuber事業の担い手として、山本氏はこう切り出した。

 

山本:VTuberは、「キャラクターとしての魅力」と「一人の人間がリアルタイムで成長していく魅力」の、2つの魅力が両立しているところに良さがあると感じます。アニメやマンガでは、魅力的なキャラクターが作者によって描かれたストーリーの上で展開する物語に人々は魅了され、日本の文化として世界に広まっています。

いっぽうで、VTuberはキャラクターとしての魅力は同じく持ちつつも、そのキャラクターのドラマ、ストーリーはVTuber自身がリアルタイムで紡いでいきます。台本がないなかで本人たちが必死に作り出したものは、決して綺麗な物語にはならない。不完全なものであることもあり得ます。しかし、その不完全さや、失敗から成長する姿を追い続けられることが、これまでのキャラクターIPにはなかった、等身大の人間としての魅力を演出し、人々の興味を引いているのかと思います。

VTuberとして活動することの意味

山本:VTuberという存在は、人々の可能性を広げる一つの方法だと思っています。現在、エンタメ業界では様々な活躍の方法が広がっています。これまでにあった、役者としてドラマや映画、舞台で表現するだけではなく、YouTubeなどの動画配信プラットフォームが急速に広まったことで、自分たちでコンテンツを作り、誰でも世に発信できる手段を持てる時代になりました。

そんななかVTuberとしての活動は、自分のコミュニケーションやトーク力、ゲームスキルなど、秀でた部分を活かしてコンテンツを作り出すことで、活躍の機会を得ることができる。自分が本質的に得意なところ、好きなことに集中して勝負できる。これは、人々の可能性を拡張するという意味で、VTuberだからこそ実現できる魅力的な点だと思っています。

 

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