赤ワインを楽しみながら白い歯へ。「Colgate」異色のコラボが示す、新時代のセルフケア

秋の夜長、深みのある赤ワインを片手に過ごす時間は格別だが、同時に頭をよぎるのは歯の着色への懸念。美味しいものを我慢せずに、笑顔も輝かせたい。

そんな願いを叶えるのは、米国の大手オーラルケアブランド「Colgate」と、アフリカ系アメリカ人姉妹が経営するワインブランド「McBride Sisters Collection」による、異色のコラボレーションだ。

「赤ワイン」と「ホワイトニング」
相反する存在の化学反応

今回のコラボでは、ナイトケア用のホワイトニングペンと厳選された赤ワイン、そしてコンパクトミラーを組み合わせた限定セットを49.99ドルで発売。しかもこのワイン、ただの赤ワインではない。権威あるワイン誌「Wine Spectator」のTOP100に選出されたこともある実力派で、品質の高さはお墨付きだ。

滑らかで風味豊かな赤ワインを嗜み、ほろ酔い状態になった後は、ホワイトニングペンを使って就寝前にオーラルケア。なるほど、彼らはこの1セットを想定しているに違いない。赤ワインを丸々1本飲んでも余裕で漂白できる、といったColgateの自信も垣間見える。

©Colgate

「モノ」から「体験」へ
消費トレンドを抑えた戦略

ホワイトニングと赤ワインの組み合わせは、一見相反するように思えるかもしれない。しかし、この意外性こそが現代人の価値観を反映した、新しいマーケティング戦略と言えるだろう。

「モノ消費」から「コト消費」へ。現代の消費者は、商品そのものだけでなく商品を通じて得られる体験や感情に価値を見出すようになっている。今回のコラボレーションも、高品質なワインと歯のホワイトニングを同時に楽しめるという、まさに「特別な時間」を提供することで、消費者の心を掴もうとしているのではないだろうか。

多様化する価値観を尊重
企業の新たな挑戦

また、McBride Sisters Collectionがアフリカ系アメリカ人姉妹によって創業された、サステナビリティに配慮したワイン造りを行うD2Cブランドであるという点にも注目したい。

Colgate Optic Whiteもまた、1991年から続く子どもたちのオーラルケアを支援するプログラム「ブライト・スマイルズ、ブライト・フューチャーズ」を通して、世界で17億人もの子どもたちとその家族に貢献してきた実績をもつ。今回のコラボレーションは、企業としての社会的責任を果たすと同時に、自分らしさや社会貢献への意識が高い消費者との共感を生み出す、共感マーケティングとしても秀逸と言えるだろう。

それは、製品の品質や機能だけでなく企業姿勢やブランドストーリーといった、より深い部分で共感を呼びかける、これからの時代のマーケティングのあり方を示唆しているのかもしれない。

👀 GenZ's Eye 👀

赤ワインと歯磨きペン、さらにコンパクトミラーもセットになっていることで、上品で贅沢なひとときの後は歯を磨いて、鏡でキラッと輝く笑顔をチェック。そんな一連の体験を容易に想像させてくれます。これこそが、「コト消費」トレンドを捉える戦略なのかもしれません。

Top image: © Colgate
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。