【さらばモテ髪】自分らしさを肯定する「かっこつけない」理容室
身だしなみに気を遣う男性が増え、メンズ美容市場が盛り上がりを見せる昨今。そんななか、花王の男性化粧品ブランド「サクセス」が仕掛ける、一風変わった取り組みが注目を集めている。
キーワードは「パーソナライズ」
対話から生まれる、理想のスタイル
花王「サクセス」と高級理容室「ヒロ銀座」とタッグを組み、昨年11月よりヒロ銀座の一部店舗で展開されているサービス「かっこつけない理容室」。それは、従来の「かっこよさ」の定義を超え、ありのままの自分を肯定する、新しいメンズ美容の形と言えるもの。
最大の特徴は、「自信」「チャレンジ」「自由」など、30個のパーソナリティを表すキーワードシートを用いたカウンセリングにある。顧客は、ただ髪型を選ぶのではなく、経験豊富な理容師との対話を通して、自身の内面と向き合い、本当に求めるスタイルを模索していく。

データが実証する
自己肯定感アップ効果
じつはこの取り組み、体験者の自身に対するイメージ変化と、当該サービスを体験した男性の体験前後の写真を見た、第三者のイメージ変化を検証すべく、大阪大学フォーサイト株式会社との共同調査で効果検証を実施するという裏テーマがあった。
35~49歳の男性10名を対象に行った調査では、「かっこつけない理容室」体験後、参加者らは「活気のある」「自信のある」「信頼できる」「前向きな」といった肯定的なイメージが有意に増加したという結果が出ている。

さらに興味深いのは、20~60代の男女338名に体験者の前後写真を見せたところ、「好感度が高く見える」「自信があるように見える」「有能であるように見える」「信頼できるように見える」といった項目で、第三者からも肯定的な変化が見られたという点。
つまり、外見の変化だけでなく、内面から溢れ出る自信が、周囲の印象さえも変えてしまう可能性を秘めているというわけだ。

外見の変化が内面を変える
新時代の男性像を提示
従来の男性向け美容は、どこか理想の男性像を押し付けるような側面もあった。けれど、「かっこつけない理容室」は、画一的な“かっこよさ”ではなく、一人ひとりの個性を尊重し、自分らしいかっこよさを引き出すことを目指している。
この取り組みは、メンズ美容における大きなパラダイムシフトと言えるだろう。外見の変化は、内面にも影響を与える力を持っている。自分に自信がない時こそ、新しい髪型に挑戦してみることで、気持ちまでポジティブに変えられるかもしれない。
サクセスとヒロ銀座の取り組みは、そんな自分を変えるための新たな選択肢を提示しているのではないだろうか。