巧妙な特殊詐欺を撲滅せよ！「AIおばあちゃん」出動

「特殊詐欺」という言葉を耳にしない日はないほどに、いま社会における深刻な問題と化した犯罪。なかでも高齢者を狙った巧妙な手口の犯罪は、奇しくも増加の一途をたどっている。

しかし、そんな詐欺師たちを相手に、ある“おばあちゃん”が立ち上がった。彼女の名前はDaisy（デイジー）。英国生まれ、驚異の特殊詐欺撃退率を誇る「AIおばあちゃん」だ。

「CBS News」によると、Daisyはイギリスの電話会社「Virgin Media O2」が開発した、AIによる詐欺対策システム。今年11月にデビューして以来、すでに1000件以上の詐欺電話に対応し、なかには40分間も詐欺師を話に引き止めたケースもあるという。

一体どうやって？ Daisyは高度な音声合成技術と自然言語処理技術を駆使することで、人間のように自然な会話をすることができるらしい。しかも、ただ会話するだけではなく、時には孫の話で相手を退屈させたり、巧みに質問を繰り返して時間を稼ぐという、“戦略家”の一面も持ち合わせているという。

同社最高執行責任者Rob Orr氏は、「組織化された詐欺師集団による詐欺は、対策が難しい問題。AIによる革新的なアプローチが必要だった」とCBS Newsに語った。

Daisyの活躍は、AIが社会問題の解決に大きく貢献できるという可能性を示している。同時にAI技術の進化は、私たちの身近なところにも変化をもたらしている。たとえば「Google」が先月発表した、Pixelスマートフォンに搭載される新たなAI機能。これは通話内容から詐欺の可能性をリアルタイムで検知し、ユーザーに警告を発するというもの。テクノロジーの進化は、私たちの生活をより便利で安全なものにする可能性を秘めていると言えよう。

AI技術の進化は「詐欺対策」の側面だけでなく、私たちの生活のあらゆる場面で大きな変化をもたらすだろう。その変化の波に乗り遅れないためには、私たち自身がAIに対する理解を深め、正しく活用していくことも重要になる。

もしかしたら近い将来、あなたのパートナーとして、あるいは頼れる相談相手として、AIが寄り添う未来が待っているかもしれない。進化し続けるテクノロジーの可能性に、これからも目を向けていきたい。