世界初「AI政治家」と討論できるアプリ登場。投票率50%の壁突破へ

月末に衆議院選を控えるなか、毎度話題にのぼるのが若年層の投票率の低さだ。長らく日本の政治に大きな課題となってきたこの問題、総務省の発表によると、2022年7月に行われた参議院議員選挙における20代の投票率は、わずか35.84%。これは、全世代平均の52.05%を大きく下回る数字。

そんななか、ニュース速報アプリ「NewsDigest」が、若年層の政治参加を促すべく、新たな挑戦をスタートさせた。

選挙の「当たり前」を変える、
デジタルネイティブ世代の挑戦

今月15日にリリースされた新機能「AI党首討論」は、AIによって再現された各政党の党首と、ユーザーが政策や政治理念について討論できるというもの。

開発のきっかけは、Z世代社員の「既存の選挙情報サービスでは物足りない」という率直な声だったという。従来の選挙関連コンテンツは、情報が一方的に提供されるものが多く、政治を身近に感じにくいという課題があった。

「AI政治家」との対話で
政治はもっとおもしろくなる

©JX通信社

AI党首討論では、ユーザーは自身の疑問をぶつけるように、「AI党首」と双方向のコミュニケーションを取ることができる。AIは、膨大なデータに基づいて学習しているため、まるで本物の政治家と議論しているかのようなリアルな体験を得られる点が特徴だ。

例えば、「少子化対策について具体的に教えて」と質問すると、「AI党首」は、教育費負担の軽減や保育サービスの拡充など、具体的な政策を挙げながら、自身の立場を明確に示してくれる。さらに深く掘り下げたい場合は、「その政策の財源はどうするの?」といった具体的な質問を投げかけることも可能。

「メタバース選挙」実現に向けて

同コンテンツは若年層の政治参加を促すだけでなく、選挙活動そのを変革する可能性も秘めている。近い将来、選挙活動のオンライン化が加速し、選挙ポスターや街頭演説といった従来型の選挙活動は、過去の遺物となる可能性もある。メタバース空間で行われる選挙演説や、NFTを活用した選挙運動資金の調達など、「選挙」とテクノロジーの融合は、今後ますます進展していくだろう。

AI党首討論は、そうした未来を予感させる、新たな時代の選挙活動の第一歩と言えるかもしれない。

👀 GenZ's Eye 👀

「AI党首討論」を通じて、有権者と政治家の対話のあり方や、政治情報の伝達方法が大きく変わる可能性がある。政治が最新のテクノロジーを取り入れることで若者への寄り添いが見られ、Z世代としては嬉しい。20代の投票率50%の壁突破へ向けた大きな一歩が踏み出せたのではないだろうか──。

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