2025年版「世界の最も安全な航空会社ランキング」1位は……
航空業界の安全性を評価するAirlineRatings.comは、2025年版「世界で最も安全な航空会社ランキング」を発表した。このランキングは、航空当局の監査結果、安全対策の取り組み、事故・インシデントの発生件数、パイロットの訓練状況、機材の老朽化度など、多角的な指標に基づいて評価されている。
ニュージーランド航空が1位、カンタス航空が僅差で2位
本年度のランキングで1位に選ばれたのは、ニュージーランド航空であった。同社は、最新鋭の機材導入、パイロット訓練の充実度、安全マネジメントシステム(SMS)の運用において高い評価を受けている。また、燃費効率が高い航空機を積極的に採用し、環境負荷の低減にも取り組んでいることが評価の一因となった。
2位には、昨年まで1位を維持していたカンタス航空がランクイン。オーストラリア国内外での事故発生率が極めて低く、安全管理体制が強固であることが評価された。両社の差はわずか1.5ポイントであり、両者ともに業界最高レベルの安全基準を満たしている。
トップ10にはアジア・中東の航空会社も多数
3位には、キャセイパシフィック航空(香港)、カタール航空(カタール)、エミレーツ航空(UAE)が同点でランクイン。これらの航空会社は、高度な安全管理と機材の近代化、さらには厳格な乗務員訓練プログラムが評価された。
日本の航空会社では、ANA(全日本空輸)が6位にランクインし、アジア圏内で最も高い評価を受けた。一方、JAL(日本航空)は19位となり、安全性は高いものの、ANAに比べると機材の更新スピードや安全管理システムの最新化がやや遅れていると指摘されている。
格安航空会社(LCC)部門で香港エクスプレス航空が首位
低価格帯の航空会社(LCC)の安全性も注目されており、今年は香港エクスプレス航空が1位に選ばれた。同社は事故発生率が低く、定期的なメンテナンスが徹底されていることが評価された。また、新規参入組としては、日本のZIPAIRやJet2.com(英国)、エア・バルティック(ラトビア)がランキングに加わっている。
ランキングから外れた航空会社も
一方で、過去に高評価を得ていた航空会社の中には、今年のランキングから外れたものもある。シンガポール航空やKLMオランダ航空は、軽微なインシデントの発生件数が増加したため、安全評価が下がり、トップ25から外れた。また、新たにランクインしたイベリア航空(スペイン)やベトナム航空などは、安全性向上への取り組みが評価された結果である。