推し活が学びの新境地を切り拓く?『推しのための習い事ランキング』
好きなアイドルやキャラクターを応援する「推し活」が、趣味の領域を超え、新たな学びのきっかけとして注目されている。
教えたい人と学びたい人を繋ぐプラットフォーム『ストアカ』を運営するストリートアカデミー株式会社が実施した調査によると、「推し活をきっかけに習い事を始めた」と回答したユーザーの間で、語学、ダンス、手芸などが人気を集めている実態が明らかになった。
この結果は、推しへの熱い想いが、自己成長へと繋がる強力なモチベーションとなっていることを示している。

語学、ダンス、イラストが首位。
推しとのコミュニケーション手段にも
『ストアカ』が2025年4月に実施したアンケート調査(有効回答数214件)で、「推し活きっかけで何を学んでいるか」(複数回答可)を尋ねたところ、最も多かった回答は「語学」だった。
特にK-POPアイドルや海外ドラマのファンの間で、「字幕なしで作品を理解したい」「ファンミーティングで直接コミュニケーションを取りたい」といった声が多く聞かれ、推しとダイレクトに繋がりたいという願望が語学学習の大きな原動力となっている様子がうかがえる。
実際に、40代の女性からは「海外のファンの方の英語のコメントを辞書なしで読めるようになりました」といった喜びの声が、50代の女性からは「翻訳なしでも推しの言語が少しわかるようになって、ダイレクトに反応できることが嬉しいです」といった具体的な成果を実感するコメントが寄せられた。
次に人気が高かったのは「ダンス」。
好きなアイドルの楽曲で踊るレッスンに参加したり、振り付けをコピーして推しと同じ動きをしたいというニーズが目立った。
「ダンスを通じてライブをもっと楽しみたい」という声もあり、推しと同じステージに立っているかのような一体感を味わいたいという気持ちが、ダンススキルの習得へと繋がっているようだ。60代の女性からは「ダンスを学ぶことで推しの努力が更にわかり、より好きになりました」という、推しへの理解を深めるという副次的な効果も報告されている。
さらに、「イラスト」も人気上昇中の分野。
「推しをモチーフに絵を描いている」「3DCGで推しを表現している」といったように、自分の“好き”をビジュアル化することで推し活をより楽しむ人々が増えている。
40代の女性からは「コンサートに持っていく応援のうちわを自分で描けるようになりました」という、具体的な活用例も挙がった。推しを自分なりの形で表現したいという欲求は、創造的なスキル習得への関心を高めている。
推しと同じ舞台を目指して。表現スキルや手芸もニーズ増
推し活は、観る側から“演じる側”への一歩を踏み出すきっかけにもなっている。
「推しと同じ役者として共演したい」「推しのように演じる力をつけたい」といった想いから、演劇やボイストレーニング、朗読、さらには殺陣といった表現スキルを学ぶ人も少なくない。
2.5次元俳優を応援しているという50代の女性は、「殺陣を学んでいます。ファンミーティングでの推しとの話題が増え、何より身体を動かすことが気持ち良く、気分転換にもなっています」と語り、学びが推しとのコミュニケーションや自身の心身の健康にも良い影響を与えていることを示した。20代の女性からは「自分も推しのように演技を体験してみたくなってワークショップに参加しました。推しのすごさを体感して、尊敬や推しへの理解がさらに深まりました」という声も聞かれた。
また、“自分だけの推しグッズを作りたい”という情熱から、「ぬい活」(ぬいぐるみ関連の活動)やハンドメイドに取り組む人も増えている。
「推しの人形に服を作って着せ替えたい」「つまみ細工や編み物で推しグッズを自作している」など、推しへの愛情を手作りのアイテムで表現する楽しみが広がっている。20代の女性は「アクセサリー講座で推しカラーのピアスを手作りして、ファンミーティングに参加しました」と、自作グッズを身につけて推しに会いに行く喜びを語った。
この調査結果からは、推し活が趣味の範囲を超えて、語学力の向上、身体表現能力の獲得、創造性の開花、さらにはコミュニケーション能力の向上といった、多岐にわたる自己成長を促す力を持っていることが明らかになった。
興味深いのは、受講者の年齢層も幅広く、50代や60代も多くを占めている点。これは、Z世代に限らず、あらゆる世代にとって推しの存在が人生に新たな刺激と学びの機会をもたらしていることを示唆している。
推しへの情熱が、新しい自分を発見し、人生を豊かにする学びへと繋がる。そんなポジティブな連鎖が、これからも広がっていきそうだ。
【調査概要】
調査対象:ストアカで「推し活をきっかけに講座を受講した」と回答したユーザー
有効回答数:214件
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年4月10日~4月20日






