結婚式は「感謝を伝える場」へ。令和のカップルが選ぶ新潮流
スポットライトを浴びる新郎新婦と、それを見守るゲスト。
多くの人が思い描く結婚式の光景かもしれないが、その価値観は今、大きな転換期を迎えているようだ。
LINEでできる式場探しサービス『トキハナ』が実施した調査から、自分たちが主役になることを望まず、ゲストと共に過ごす時間を何より大切にするカップルの姿が浮かび上がってきた。
「主役」から「主催者」へ、変化する意識
トキハナが2024年から2025年に結婚式を挙げた20〜30代の男女272人に行った調査によると、自身の結婚式におけるスタンスとして「主役は自分たちではない」「ゲストが主役」と回答した人は、全体の3割を占めたという。
「自分たちが主役になることに違和感がある」「感謝を伝える時間にしたい」といった声が示すのは、「主役」として祝福される側から、大切な人々をもてなす「主催者」へと、当事者の意識がシフトしている現実だろう。
結婚式が、誰のために、どう過ごしたいかを問う場へと本質的な変化を遂げているのかもしれない。

定番を捨て、選ばれるゲスト参加型の演出
この価値観の変化は、結婚式の演出にも色濃く反映されている。
調査では、「高砂を設けなかった」と回答した人が約半数にのぼり、ケーキ入刀やファーストバイト、お色直しといった定番演出を“あえてやらない”選択をしたカップルも目立った。
その理由として最も多かったのは「ゲストにとってあまり意味がないと思ったから」という回答。次いで「歓談や撮影に時間を使いたかった」という声も多く、形式よりもゲストとの交流を優先する姿勢がうかがえる。

その代わりに人気を集めているのが、ゲスト参加型の演出だ。会場に設置したスポットでゲストが自由に撮影し、レシートのように写真を印刷できる「レシート写真」や、ゲスト一人ひとりへの手紙を壁に飾る「ウォールレター」。
あるいは、宗教や形式にとらわれず、ゲストに結婚を誓う「人前式」など、ゲストと共に一つの空間と時間を作り上げるスタイルが支持されている。


SNSを参考に創る『パーソナライズ婚』
こうした自分たちらしい結婚式のスタイルを見つける上で、大きな役割を果たしているのがSNSや結婚情報サイトだという。特にInstagramやYouTubeなど、ビジュアルで具体的なイメージを掴みやすい媒体が、先輩花嫁の実例を知るための重要な情報源となっている。
トキハナでは、このような「自分たちが目立つことよりも、大切な人たちと幸せな時間を共有したい」という考え方に基づいた結婚式を『パーソナライズ婚』と定義し、その広がりを後押ししている。
決まったフォーマットに従うのではなく、集まってくれた人たちとどう過ごすかを軸に、演出や空間を一つひとつ選び取っていく。結婚式は、二人の価値観を表現し、大切な人々との絆を深めるための、より個人的で意味深いイベントへと進化を続けているようだ。
調査概要
・自社サンプリング調査
調査期間:2025年6月25日〜7月2日
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:2024年〜2025年に結婚式を実施した20代〜30代の男女
有効回答者数:272名
回答者の属性:【性別】男性26.1%、女性73.9%
【年代】20代:56.2%、30代:43.8%
出典・詳細情報






