誰でも共感できるけど、意外とレア。TikTokで広がるノスタルジックなミーム「Rare aesthetic」
子供の頃のスイミングスクール、冬の朝の通学路、そして旅行初日のスーパーマーケット。
多くの人が共有するであろう、こうした何気ない人生の記憶の断片が、今TikTok上で「Rare aesthetic(レアな美的感覚)」というミームとなって広がっている。
Dur Dur Bandの楽曲『Gorof (Elixir)』に乗せて、ノスタルジックな画像や映像が投稿されるこのトレンドは、なぜか多くの人々の共感を呼び、バイラルな広がりを見せているという。
これは英国のニュースサイト『indy100』が報じたもの。
きっかけは“スイミングプールの匂い”
このトレンドの火付け役の一つとなったのは、スイミングスクールにまつわる動画のようだ。
あるユーザーが投稿した「スイミングレッスン中に、カフェで待つ母親に嫉妬する」というキャプション付きの動画は、920万回以上の再生を記録。
コメント欄には、「プールに入っていると、いつもとてもお腹が空いていた」「泳いだ後のポテトチップスは格別だった」「コーヒーとクッキー、そしてほのかな塩素の匂いが混じり合ったカフェの安心感」といった、具体的な記憶を呼び覚まされた人々からの声が殺到したという。
冬の朝の通学路と旅行先の食料品店
同様に、「冬の朝の学校」というテーマの動画も、120万回以上再生されている。
まだ太陽が昇らない薄暗い中、雨に濡れた歩道を歩く映像は、多くの人々から「この肌寒さが心地よい服装と相まって天国のようだった」といった共感のコメントを集めた。
また、「休暇初日の夜に行くスーパーマーケット」という投稿も350万回以上の再生を記録。
日常の買い物とは異なる高揚感を的確に捉えたこの動画には、「古代の土地で地元の市場を訪れる旅人のような気分になる」といった詩的なコメントも寄せられているようだ。
時間を巻き戻す音楽
2010年代のヒット曲のミュージックビデオをまとめた動画も、このトレンドの中で人気を博している。
テイラー・スウィフトの『Shake It Off』やケイティ・ペリーの『Roar』といった楽曲は、多くのユーザーにとって子供時代の記憶と強く結びついているらしい。
コメント欄には、「Vevoのロゴが懐かしい」「ドゥームスクロール(ネガティブな情報を見続ける行為)をする前は、Vevoを一気見していた」など、特定の時代を共有する人々からの声が集まった。
「レア」と銘打たれながらも、実は誰もが心のどこかに持っているであろう共通の記憶。このトレンドは、そんなノスタルジアを刺激することで、多くの人々の心を捉えているのかもしれない。






