TikTokで広がるFibermaxxing。専門家は安全としつつも過剰摂取と水分補給に注意を促す
ソーシャルメディアではプロテイン(タンパク質)の摂取量を記録することが流行していたが、近ごろ、新たな栄養素として食物繊維が注目を集めているようだ。
TikTokでは現在、『#Fibermaxxing』、すなわち一日の推奨量を上回る食物繊維の摂取を実践し、他者にも推奨する動きが広がっているという。
「Fibermaxxing」の背景と専門家の見方
cnbcの記事によると、このトレンドは消化の促進や体重管理、腸内環境の改善といった利点が期待されているために広まっている可能性がある。
登録栄養士で料理本の著者でもあるMia Syn氏は、同記事の中で「食物繊維は新しいプロテインになりつつある」との見解を示した。
アメリカ合衆国農務省(USDA)の食事ガイドラインでは、50歳未満の場合、女性で1日25~28グラム、男性で31~34グラムの食物繊維摂取を推奨している。
しかし、cnbcがハーバード・ヘルス・パブリッシングの情報を基に報じたところでは、アメリカの成人の平均摂取量は1日わずか10~15グラム。
さらに2016年に学術誌『American Journal of Lifestyle Medicine』で発表された分析では、推奨量を満たしているのは人口の5%に過ぎないとのこと。
Syn氏によれば、食物繊維の摂取不足は心臓病や特定のがん、2型糖尿病といった慢性疾患のリスク上昇と関連する可能性があるという。
食物繊維の摂取は食品から
Syn氏は、サプリメントよりも食品から栄養を摂るのが最善だと指摘する。食物繊維は主に植物由来の食品に含まれ、オーツ麦やチアシード、豆類、リンゴ、玄米などの全粒穀物、ナッツ類がその代表例。
食物繊維には水に溶ける水溶性と、溶けない不溶性の二種類が存在する。水溶性食物繊維はコレステロール値を下げ、血糖値を安定させる働きが期待される一方、不溶性食物繊維は消化を助け、便通を促すのに役立つとされる。
Syn氏は、これら両方を十分に摂取することの重要性を説いているようだ。
トレンド実践における注意点
#Fibermaxxingは概して安全だとしながらも、Syn氏はいくつかの注意点を挙げる。
cnbcの記事によれば、1日に70グラムを超えるような過剰な摂取は、膨満感といった消化器系の不調や、カルシウムなど特定の栄養素の吸収を妨げる可能性があるという。また、食物繊維の摂取量を増やす際には、水分補給が極めて重要になる。水分が不足すると、腹痛や便秘、下痢などを引き起こすことも。
「良いものでもやりすぎはある」とSyn氏は語り、不快感を避けるために、食物繊維が豊富な食品を時間をかけて少しずつ食事に取り入れていくことを勧めている。
ハーバード・ヘルス・パブリッシングも、まずは1週間、高繊維食品を1食分だけ増やして体の様子を見る方法を推奨しているとのことだ。






