【水分補給2.0】Z世代のあいだでは、朝コーヒーは「電解質ドリンク」へ移行中
人類の歴史は、水との共存の歴史といっても過言ではない。喉の渇きを潤し、生命を維持するために、私たちは日々水を飲む。しかし、近年その常識を揺るがす新たな潮流が生まれている。
「水だけでは、もう物足りない」。そんな声が、Z世代を中心に広がりを見せている。彼らが渇望するのは……そう、電解質だ。
TikTok発、水分補給2.0は「電解質」
Z世代の間で電解質サプリメントの人気が高まっている、こう報じたのは英メディア「UNILAD」。最新の健康情報に敏感なZ世代は、従来の水に電解質を加えることで、より効率的かつ効果的な水分補給が可能になると考えているようだ。
実際に、あるTikTokユーザーはこの新しい水分補給方法を「人生を変えるほどの発見」と表現するほど。
電解質はナトリウムやカリウムなど、体内の水分バランスを調整する重要なミネラル。発汗によって失われやすく、不足すると脱水症状や熱中症のリスクが高まることはよく知られている。
しかし、普段からバランスの取れた食事を摂り、適度な運動を心がけていれば、わざわざ電解質サプリメントを摂取する必要はないという専門家の意見もある。栄養士のEdward Mather氏は「長時間の運動や高温環境下、病気などで体内の水分が失われた場合を除き、ほとんどの人は水を飲むだけで十分な水分補給が可能」と述べている。
いっぽう、電解質サプリメント市場の拡大は、健康意識の高まりを背景に世界中で顕著なトレンドに。「NEWSCAST」によると、世界の電解質・スポーツドリンク市場規模は、2021年に約13.8億ドルに達し、2029年までに17.8億ドルへ成長すると予測されている。
最適解は十人十色
情報と対話し、自分に合った水分補給を
電解質ブームは、情報過多社会における光と影を浮き彫りにしている。若者の健康に対する意識の高まりを示す、好ましい兆候とも表現できるが、大切なのは安易にブームに飛びつくことではなく、まずは自身の生活習慣や体調と向き合い、本当に必要なものを見極めるということ。
Z世代が目まぐるしい情報と上手に付き合いながらも、自分にとって最適な水分補給を見つけ出せるか。大事なのはそこだろう。
👀GenZ's Eye👀
Z世代の間で「しっかり勉強をこなしつつ、健康にも気をつかっている意識の高い人」への憧れは日に日に強くなっている印象。それは近年のサウナブームなどにも繋がっている。
電解質然り、サウナのように裏表が囁かれる健康法はいくつもあり、SNS上で誇張されたり、虚偽の情報が発信されることもある。行為自体の構造を理解し、自分にあった方法を試していくことこそ健康へのファーストステップなのは言うまでもない。