マッチングした時の“ぎこちなさ”解消?Z世代が見つけた抜け道は「友人が選ぶ」新感覚のスタイル
オンラインデートは今や当たり前のものとなったが、Z世代の間では「マッチング後のやりとりが面倒」「メッセージのやりとりが負担」と感じる人が増えているらしい。
実際、ある調査ではZ世代の約60%が「マッチングアプリでのスモールトークに疲れている」と回答しており、より効率的で自然な出会いを求める風潮は強まっているようだ。
そんな中、新しいデートの形として登場したのが「友人が選ぶ」というスタイル。
これは、マッチングアプリを利用しつつ、友人がキューピッド役を務めることで、従来の「トーキングステージ」(最初のぎこちないやり取り)を省き、直接的な出会いへとつなげていくというものだ。
友人が恋愛のキューピッド。新感覚のデートアプリ
オーストラリアの女性、Mollieは、しばらくオンラインデートから離れていたが、友人の勧めで『Hello Darling』というデートアプリを試してみることにした。このアプリの最大の特徴は、ユーザーが自分のプロフィールを友人と共有し、彼らが代わりにマッチング相手を選ぶことができる点にある。
Mollieは、友人にスワイプの権限を与え、自分では選ばなかったような相手と出会う機会を得ることができたという。「自分で相手を選ぶよりも、友人に託した方が楽しいし、新しいタイプの人と出会える」と彼女は語る。
大まかに『Hello Darling』のシステムはこんな感じ。
- プロフィールを設定し、写真とプロンプトを登録
- 最大3人の「親(友人)」にスワイプの権限を付与する
- 設定された「親」がデート相手をスワイプ
- マッチングが成立すると、本人に通知が送られ、デートの予定を立てるフェーズに
- デートの前に送れるメッセージは3回まで
- デートの後は、2回目のデートをするかどうかを選ぶまでアプリの利用が制限される
Z世代が求めるのは「効率的でリアルなつながり」
Z世代の恋愛観は、過去の世代と比べて大きく変化している。かつてのように「出会いの場に足を運ぶ」のではなく、デジタルを活用しながらも、よりリアル(≒自然)なつながりを求める傾向が強まっている。
オンライン上での長いやりとりを省略できるシステムは、彼らにとって大きな魅力となる。
Mollieも、何度も同じようなメッセージをやりとりすることに疲れていたが、このアプリを通じてトーキングステージを飛ばし、直接的な出会いを楽しめるようになった。友人の推薦を受けることで、相手への信頼度も上がり、安心してデートができる点も大きなメリットだったという。
この新しい恋愛スタイルは広がるのか?
友人が相手を選ぶという仕組みは、Z世代の価値観に合致している。時間を無駄にしたくないという思いと、リアルなつながりを求める傾向が、このデートスタイルの人気を押し上げているようだ。
今後、このトレンドがどこまで広がるのかは未知数だが、オンラインデートの新たな形として、より多くの人々に受け入れられていく可能性がある。マッチングアプリが普及する中で、友人のサポートを活用した恋愛スタイルは、今後の恋愛市場に新たな変化をもたらすかもしれない。
Z世代が切り開く、新しい恋愛の形
デジタル時代の恋愛は、単なるスワイプやメッセージのやりとりではなく、より現実的な出会いへとシフトしつつある。Mollieのように、友人の力を借りて新たな出会いを楽しむ人が増えれば、恋愛のスタイルもますます多様化していくだろう。
「自分で選ぶより、友人に選んでもらう方が楽しいかもしれない」──そんな発想が、これからの恋愛スタイルを大きく変えていくのかもしれない。