「1人の時間」を大切にするZ世代の結婚観とは。結婚後の理想の関係性にも変化が
結婚は人生の大きな節目であり、時代とともにその価値観も変化してきた。近年、「Z世代」と呼ばれる1990年代後半から2000年代前半に生まれた若者たちは、従来の結婚観とは異なる視点を持ち始めている。
個の時間や空間を大切にしながらも、パートナーとの関係を築く新しいスタイルが求められているのだ。
こうした変化を背景に、手作り結婚指輪・婚約指輪専門店「icci 代官山」は、18歳から26歳の結婚願望を持つ男女111名を対象に「Z世代の結婚観に関する意識調査」を実施した。この調査から、Z世代がどのように結婚を捉えているのか、その特徴が浮き彫りとなった。
Z世代の結婚観:「1人の時間を大切にしたい」が95.5%
調査結果によると、回答者の95.5%が「結婚後も現在と同じくらい1人の時間を大切にしたい」と考えていることが明らかになった。
これは、かつての「夫婦は常に一緒に過ごすべき」という考え方とは異なり、自分の時間と空間を確保しながら、夫婦関係を築く新たな価値観が広がっていることを示している。
この考えの背景には、ライフスタイルの変化が関係している。リモートワークの普及や、SNS・動画配信サービスなどの個人向けコンテンツの充実により、1人で過ごす時間の価値が高まった。また、Z世代は「自己成長」を重要視する傾向があり、結婚後も個人の成長を続けられる環境を望む声が多い。
調査では、「1人の時間が必要な理由」として以下のような回答が得られた。
- 「趣味に没頭したいから」(63.2%)
- 「心身をリフレッシュするために必要だから」(60.4%)
これは、結婚後も自分の時間を確保しながら、パートナーと調和した生活を送りたいという願望を反映している。


共有と独立のバランス
「1人の時間」を重視する一方で、Z世代はパートナーとの関係を軽視しているわけではない。74.8%が「パートナーと何かを共有する時間も重要」と回答しており、個と個のつながりを大切にする意識がある。
具体的には、「一緒に過ごす時間の質を高める」ことを意識する傾向が強い。例えば、「食事の時間は大切にしたい」「旅行や特別なイベントは一緒に楽しみたい」といった意見が多く寄せられた。つまり、長時間一緒にいることよりも、限られた時間を有意義に過ごすことが重視されている。




結婚指輪の意味も変化
「自分たちらしさの象徴」としての役割に
結婚指輪に対する意識も変化している。かつては「結婚の証」として常に身に着けることが一般的だったが、Z世代の間では「2人の関係を象徴するもの」としての意味が強まっている。
今回の調査では、83.8%が「結婚指輪は自分たちらしさを反映するものが良い」と回答。そのため、既製品ではなく、手作りやオーダーメイドで指輪を作るカップルが増えている。icci 代官山のような「手作り指輪専門店」の人気が高まっているのも、この価値観の変化を象徴している。
また、近年では、結婚指輪のデザインもシンプルなものや、日常生活に馴染むデザインが好まれる傾向にある。「大きなダイヤモンドの指輪」よりも「さりげなく身に着けられるもの」が選ばれることが多く、これもZ世代の結婚観の変化を反映しているといえる。



この調査から、Z世代は「結婚=自由を失うもの」ではなく、「お互いに尊重し合いながら共に成長する関係」として捉えていることが分かった。「1人の時間を大切にしつつ、共有する時間も大切にする」というバランスの取れた関係を築くことで、結婚生活をより充実させようとする姿勢が見て取れる。
また、結婚指輪のあり方にも変化が現れており、形式的なものではなく、2人の関係性を表現するアイテムとしての意味が強まっている。このような変化は、今後の結婚式のスタイルや夫婦のライフスタイルにも影響を与えていくだろう。
Z世代の結婚観は、個人とパートナーとの関係性をより柔軟に、そして自然な形で発展させていくものへと変わりつつある。それは、結婚という枠組みの中でも、一人ひとりが自分らしさを失わずにいられる新しい時代の幕開けなのかもしれない。