Z世代の8割が実践する「ぬい活」とは?推しと過ごす新たな文化
ぬいぐるみは、子どものおもちゃという概念を超え、新たなライフスタイルとして定着しつつある。
特にZ世代の間では、「ぬい活」と呼ばれる活動が急速に広がっている。推しのぬいぐるみを持ち歩いたり、一緒に写真を撮ったりすることで、日常生活をより楽しく、特別なものにする文化だ。
ぬい活とは?Z世代の8割が実践する新たなトレンド
SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.』の調査によると、15~24歳の女性507名のうち80%以上が「ぬい活」を経験しているという。
その楽しみ方も多様で、「バッグにつける」(59.4%)、「日常的に持ち歩く」(39.4%)、「景色やモノと一緒に写真を撮る」(37.9%)といったスタイルが人気だ。
ぬい活には大きく分けて2つの楽しみ方があるという。
1つは、推し活の一環としての「ぬい活」。好きなアイドルやアニメキャラクターのぬいぐるみ(「推しぬい」)を持ち歩き、SNSに写真を投稿することで、ファン同士の交流も生まれる。
もう1つは、ファッションアイテムとしての「ぬい活」。その日のコーディネートに合わせてバッグにつけるぬいぐるみを変えるなど、トータルコーディネートの一部として楽しむスタイルだ。


なぜ「ぬい活」はここまで広がったのか?
この文化が拡大した背景には、コロナ禍による生活スタイルの変化がある。外出が制限され、人と直接会う機会が減ったことで、ぬいぐるみを「心の支え」とする人が増えた。
また、SNSの発達も大きな影響を与えている。特にInstagramやTikTokでは、ぬいぐるみと一緒に旅行したり、カフェに連れて行ったりする様子を投稿する「ぬい撮り(ぬいぐるみの写真撮影)」が人気コンテンツとなり、多くの人に広まった。


ぬいぐるみ=癒しの存在?Z世代の心理的なつながり
さらに、Z世代にとって、ぬいぐるみは単なる玩具ではないようだ。
調査によれば、70.3%の人が「ぬいぐるみはお守りのような存在」と感じていると回答。さらに、約半数(49.3%)が「癒しの存在」と回答し、33.6%は「ぬいぐるみを人格化している」と答えている。
この傾向は、ぬいぐるみと一緒に過ごすことで安心感を得る「エモ消費(エモーショナル消費)」とも関連しているものだろう。物の価値だけでなく、感情を動かす体験が重視される時代だからこそ、ぬい活は支持を集めているのだ。


ぬい活は、一過性のブームを超え、Z世代のライフスタイルの一部となっている。
推し活、ファッション、癒しなど、それぞれの目的に応じた楽しみ方があり、今後もさらに進化していくだろう。ぬいぐるみと一緒に過ごすことで生まれる「小さな幸せ」が、多くの人にとって欠かせないものになりつつある。
■アンケート調査概要
①WEB調査
調査期間:2025年1月
調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用
(SHIBUYA109 lab.調べ GMOリサーチプラットフォーム利用の調査)
居住地:一都三県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)
年齢:15~24歳
対象:高校生・大学生・短大生・専門学校生・大学院生
回答者数:女性507名
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
②SHIBUYA109 lab.による定性調査
・グループインタビュー
対象者条件:高校生 女子2名 大学生 女子6名 (2G)合計8名(Z世代の声として一部掲載)
・その他過去定性調査をもとに考察