Z以上にデジタルネイティブな「α世代」小学生でスマホは当たり前
若年層のトレンドや流行を調査するにあたって、「Z世代」(1990年代半ば〜2010年前後生まれ)が調査対象になることはとても多い。だが、今注目を集めているのはZ世代のさらに下、2010年代以降に生まれた「α世代」だ。
多くがミレニアル世代(1980年代頭〜1990年代半ば生まれ)を親に持ち、生まれたときから身の回りにスマホやタブレットがある、デジタルネイティブな環境で育ったこの世代。次世代のマーケティングのカギを握るであろうα世代に対し、「日本インフォメーション株式会社」が彼らの特徴や実態を探るべく、Z世代との比較を中心とした調査を「LINEリサーチ」を用いておこなった。
α世代:11歳になる頃には
スマホを持っている
α世代の対象を現在の中学1、2年生(13〜14歳)、Z世代を中学3年〜高校3年生(15〜18歳)として調査をおこなったところ、まず両者の共通点として見えてきたのが、スマホの使用率。
これは言わずもがな非常に高く、両世代9割以上という結果。タブレットも両世代ほぼ同じ数値だった。ただ、スマホを持ち始めた年齢はZ世代が小6~高1(平均13歳)がボリュームゾーンだったのに対して、α世代は小5~中1(平均11歳)とより若い。しかも、中学生になる前にスマホを所持していた割合も65.2%と高かった。
明確な差がついたのがテレビとゲーム機。
前者については、YouTubeなどをテレビ画面で映した場合の数値なども含まれているため、一概に地上波放送に関心があると決め付けられない側面もあるが、ゲーム機はそうではなさそう。α世代の69.0%はZ世代(40.9%)の約1.5倍。コロナ禍で友だちとオンラインゲーム上で集合して遊ぶことが定着した結果、それが現在でも日常化していると考えられる。
オンラインでのやり取りには
両世代抵抗なし?
近い項目としては、オンラインやSNS上で他人とやり取りをした時期だ。
「初めてオンラインゲームで知らない他人とプレイしたのはいつ?」という問いにα世代で回答率が高かったのは、小3と小4でそれぞれ18.1%と21.6%。Z世代は小4~中1にかけて10%を超えている。平均年齢はα世代が9歳、Z世代が11歳と、いずれも小学生のうちには知らない人とオンライン上でコミュニケーションを持っていることになる。
こちらも、コロナ禍による外出自粛とSNSやVR技術の発展がその背景にありそうだ。
また、「初めてSNSで他人と連絡など交流したのはいつ?」という問いにも、α世代は平均10歳、Z世代は同12歳という回答結果だった。
そもそも他人とSNS交流をしたことがあるという人の割合も前者が8割、後者が9割なのだから、この2世代がいかにSNSでの交流に抵抗がないかが分かるだろう。とくにα世代は、コロナ禍という特殊な時代背景と技術の発展が重なったことで、デジタルとのかかわりがZ世代以上に強くなったようだ。