「オンラインセーフティ法」をめぐって、スリランカが大わらわ
最近、スリランカでオンラインコンテンツを厳しく規制するオンラインセーフティ法が施行されたらしい。
しかし『BBC』が報じたところによると、新法は政府による監視を強化し、言論の自由を大幅に制限するものだとして、多くの人権団体から批判の的となっているようだ。
この記事の要点
・スリランカで、オンラインコンテンツを規制する厳格な法律が施行され、人権団体からは言論の自由を抑圧するものと批判
・政府委員会は禁止コンテンツの評価と削除の広範な権限を与えるもので、批評家は選挙に先立ち反対意見を抑えるためのものだと主張
・社会運動家や国際人権団体は表現の自由とオンラインでのプライバシーを制限すると警告しており、国連人権事務所も懸念を表明
遡ること2022年、経済危機の渦中にあった同国において、反政府抗議の主戦場となっていたのがSNS。その大きなうねりは最終的に時の政府を退陣に追い込んだ。さらに翌年、サイバー犯罪に関する訴えが8000件以上提出されるなど、オンラインをめぐる大小のトラブルがスリランカでは問題視されてきた経緯がある。
こうした背景から、国家の安定を脅かすオンライン詐欺やコメントに関連する犯罪に厳しく対処する必要があるとして、Tiran Alles公安大臣によって法案が国会に持ち込まれた。先月24日には108対62の票で議会を通過。抗議活動も行われたものの、議長の承認を得て施行が決定したという。
さて、今回施行された法律は、スリランカ国内の出来事についての虚偽声明、宗教的感情を傷つける意図を明確に表した声明、ボットの悪用などを禁止とするというものだ。政府委員会には禁止コンテンツの評価と削除の権限が与えられる。大統領によって任命された5人の委員会が投稿を評価、削除対象となった声明を出した人に対して罰金が科されるという仕組み。
スリランカの民主化推進団体は、本法案に対し断固として対抗する姿勢を強調。「反対意見を封じ込め、市民活動を抑圧しようとする政府の明確な意思表示」との訴えを『BBC』が紹介する。また、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)も「同法律が表現の自由を脅かし、不確かな言葉遣いでオンラインのプライバシーと自由を制限する」と警告を促す。
強大な力を持ったSNSの制限は不可欠であるが、可決された新法を批判する人々の意見にも耳を傾ける必要はあるだろう。今年後半か来年初めに予定されている大統領選挙に向けて、スリランカ政府はどのような動きを見せるだろうか。
※本記事はGeneraitve AIを一部活用して記事制作をしております。