年末年始のネットショッピングに危険信号。「AIレビュー」の実態がヤバイ
年末年始のセールシーズンには欲しいものが多すぎて、どの商品を選べばいいのか迷ってしまうことも多いはず。そんな時、頼りになるのが他の購入者のレビュー。
しかし、その「星5つ」の輝きは、もしかしたら巧妙に仕組まれたイリュージョンかもしれない。というのも、AI技術の進化によって私たちの目に触れるレビューの世界にも大きな変化が訪れている。
年末年始のショッピングに潜む罠
AI生成レビューの実態
AIコンテンツ判定ツールを提供する「Originality.ai」は、ホリデーシーズンのショッピングレビューに関する調査結果を発表。なんと、調査対象となったレビューの31.5%がAIによって生成された可能性があるという。
同社は「Amazon」「Best Buy」「Walmart」といった大手ECサイトから収集した、7万5000件もの商品レビューを分析。その結果、ブラックフライデー期間中は28%、クリスマス期間中はさらにその割合が増加し、33%がAI生成レビューの可能性があることが判明した。
つまり、私たちが何気なく見ているレビューの3つに1つは、AIよって自動生成された「偽りの声」である可能性が高いということだ。
ChatGPT登場で偽レビュー400%増加
その手軽さが悪用を招く
同社のCEOであるJonathan Gillham氏は「完璧な文法と反復的な文章のレビューには、注意が必要だ」と警鐘を鳴らしている。しかし、皮肉にもAI技術の進化に伴い、偽レビューのクオリティも年々向上。特に、2022年に「OpenAI」がChatGPTを公開して以降、その流れは勢いを増すばかり。
現に、ChatGPT公開後「Amazon」におけるAI生成レビューは400%も増加したというデータもある。高精度な文章を自動生成できるAIの登場は、これまで以上に簡単に、そしてリアルな偽レビューを生み出すことを可能にしてしまった。
「レビュー偽装」の罠を見破れ
では、私たちはどのようにして、この巧妙に仕組まれた「レビュー偽装」の罠を見破り、本当に価値のある商品と出会うことができるだろうか。
まず大切なのは、「レビューはあくまでも参考程度」と捉え、鵜呑みにしないこと。複数のECサイトやレビューサイトを比較検討し、異なる意見や視点に触れるように心がけたい。また、商品の詳細情報やメーカーの公式WEBサイトをチェックするのも有効な手段と言えよう。
情報過多な現代において、本当に価値のある情報を見極める「情報リテラシー」が、これまで以上に重要になっているのかもしれない……。
👀 GenZ's Eye 👀
レビューを信頼してショッピングを楽しむ人、要注意です。あなたが頼ったその感想、実はニセモノかも……。AIの登場は私たちのネットリテラシーの高さを試しているようにも見えます。AIvs人間の構図がここにも。