東京ギャル×御殿場JK。若者目線の町おこしが始まった!

株式会社フェリーチェが発信した「#地元ギャップ 町おこしプロジェクト」のプレスリリースが話題を集めています。東京のギャル文化を背負う高校生と、富士山麓の御殿場で暮らす高校生が出会ったら何が起きるのか。この問いかけ自体が、地方創生の新しい扉を開こうとしています。

「伝わらない魅力」を解く鍵

地方には素晴らしい資源がある。でも、それが若い世代に届いていない——。こうした課題意識は、もはや全国どこでも聞かれるものではないでしょうか。行政が作るパンフレットや観光PR動画は丁寧に作られていても、10代・20代のタイムラインにはなかなか流れてきません。

同プロジェクトが着目したのは、まさにこの「伝わらなさ」の構造です。地方に足りないのは魅力ではなく、今の時代の言葉で語れる「翻訳者」なのだと。そしてその翻訳者として白羽の矢が立ったのが、東京の「ギャル」でした。

第1弾のテーマは「東京のギャルが、御殿場を変える?」。2026年5月10日に、東京都目黒区のBLEA学園女子高等部の高校3年生5名が静岡県立御殿場高校を訪問し、地元の高校3年生5名と合流します。お茶摘み、地元食材を使ったランチ、イチゴ狩りやミニトマトの収穫といった一次産業のリアルな体験を通じて、御殿場の日常に飛び込むプログラムが組まれているとのことです。

体験で終わらない設計思想

このプロジェクトで特に注目したいのは、「体験して終わりではなく、発信までやる」という一貫した設計です。

参加する高校生たちは、SNSハッシュタグ企画「#地元ギャップ」を活用した投稿や、御殿場を舞台にした動画の制作・発信、さらに地元の交流拠点「きょてんば」での成果発表会まで行う予定だといいます。つまり、ただの社会科見学でも観光体験でもなく、自分たちの目で見て感じたことを「自分たちの言葉」でアウトプットするところまでが一つのサイクルになっているわけです。

ここに、従来型の地方創生施策との大きな違いが見えてきます。多くの地域活性化プロジェクトでは、行政やシニア世代が企画の主導権を握り、若者は「参加者」として招かれる構図が一般的でした。しかし同プロジェクトでは、高校生自身がコンテンツの制作者であり、発信者でもある。受け手ではなく、編集者としての役割を担っているのです。

ギャルの「自己肯定力」という資源

BLEA学園は「LOVE YOURSELF MORE!〜自分をもっと好きになる。」をコンセプトに掲げ、美容・保育・芸能・アパレル業界と連携した実践的な教育を行っている学校です。ギャル文化の根底にある「自分を好きでいること」「自分らしさを堂々と表現すること」というエネルギーは、実は地方の若者が抱えがちな「地元に誇りを持ちにくい」という感覚を解きほぐすヒントになるのかもしれません。

「ギャル」と聞くと、どうしても表層的なイメージが先行しがちです。けれど、彼女たちが持つコミュニケーション力、ビジュアルの感度、そしてSNSネイティブとしての発信力は、地域の魅力を「今の時代の文法」で再編集するうえで、きわめて実践的なスキルだと言えるのではないでしょうか。

さらに興味深いのは、このプロジェクトが一方通行ではない点です。2026年夏以降には、御殿場の女子高校生が東京を訪れ、BLEA学園で美容やメイクを学んだり、新大久保など「今一番行きたい場所」を巡ったりする逆訪問も計画されているとのこと。都会が地方に教える、という上下関係ではなく、互いの日常を交換し合う対等な関係性がデザインされています。

「化学反応」が生む未来

同プロジェクトの実行委員会は、御殿場の魅力を広めたい地元有志と、渋谷を拠点にコンテンツビジネスを企画するチームが2025年に出会い意気投合したことがきっかけで発足したそうです。メンバーには御殿場青年会議所に所属する地元企業の代表や、放送作家、地域連携の企画開発に携わるプランナー、コンテンツプロデューサーなど、多彩な顔ぶれが揃っています。

近年、Z世代の地域への関わり方は確実に変化しつつあります。「移住」や「定住」といった重い選択肢だけでなく、関係人口として緩やかにつながる形や、SNSを通じた応援・発信といった新しい関わり方が広がっている。同プロジェクトが掲げる「地方創生×Z世代×リアル体験」という方程式は、まさにその潮流の最前線にあると感じます。

10人の高校生が御殿場で過ごすたった1日が、どんな「化学反応」を起こすのか。体験の様子はYouTubeでも配信される予定です。ギャルの目を通して再発見される地方の姿に、私たち大人こそ驚かされることになるかもしれません。

Top image: © 株式会社フェリーチェ
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