テレビの“次のかたち”を模索する──TVerが10周年で示した視聴体験の未来

“テレビを見る”という行為は、この10年でどう変わったのだろう?

民放公式配信サービス「TVer(ティーバー)」が10周年を迎え、新プロジェクト「Tele-Vision▶Next-Vision」を発表した。そこに見えるのは、テレビというメディアが100年を経た今もなお、変化をやめないというメッセージだ。

縦型ショート動画機能や渋谷PARCOでの体験イベント──TVerがこの節目に打ち出したのは、「次のテレビ」をどう作るかという問いそのものだった。

テレビの“終わり”ではなく
“更新”としてのTVer

2015年10月当時のTVerサービス画面イメージ©株式会社TVer

かつて「放送」という言葉が象徴したのは、一方的に届けるという構造。けれど、TVerは、この10年でその前提を静かに書き換えてきた。

見逃し配信からライブ配信、そして地上波同時配信へ──スマートフォンやコネクテッドTVなど多様なデバイスに対応し、現在では月間4.96億再生・4,120万ユニークブラウザを記録するまでに成長した。

そんなTVerが掲げた10周年テーマ「Tele-Vision▶Next-Vision」は、単なる記念スローガンではない。「遠くのものを見る」というテレビの原義から、「これからの視界を拓く」次のステージへ。テレビが“終わる”のではなく、“更新されていく”ことを、TVerは行動で示しているのではないだろうか。

縦型ショート動画で広がる
「偶然の出会い」

©株式会社TVer

ところで、10周年施策のなかで最も象徴的なのが、「縦型ショート動画機能」のローンチだ。TVerアプリのホーム画面から、縦にスワイプするだけで番組の短尺クリップを連続再生でき、気になった映像から「本編を見る」ボタンでそのまま番組ページへ飛べる。
YouTube ShortsやTikTok的なフォーマットを、民放公式の文脈で取り入れた初の試みだ。

ショート動画が単なる「切り抜き」ではなく、番組発見の入り口として設計されている点が興味深い。受動的に流れるテレビと、能動的に探すネット動画のあいだに、新しい「偶然の出会い」をつくる仕組み。それこそがTVerの言う“Next-Vision”の具体化なのかもしれない。

リアルな場で“Next-Vision”を体感
渋谷PARCOイベント

©株式会社TVer

サービス開始日の10月26日が、「TVerの日」として日本記念日協会に登録されたことを記念し、10月25日・26日の2日間、渋谷PARCO前で「TVer 10th Anniversary Event in SHIBUYA PARCO」が開催される。

テレビの100年とTVerの10年をテーマにした映像展示のほか、来場者が10周年限定デザインのフレームで撮影できるフォトプリントブースも設置。撮影した写真をSNSで「#TVer10th」と投稿すると、各日先着50名にTVer×PARCOオリジナルTシャツ(25日は黒・26日は白)がプレゼントされる。

“放送”から“体験”へ──テレビの概念が変わりつつあるいま、TVerはその変化をデジタルの外側でも提示しようとしている。

©株式会社TVer
©株式会社TVer

【TVer10周年特設サイト】
https://tver.jp/10th/(2025年10月24日公開)

【TVer縦型ショート動画特設ページ】
https://tver.jp/_l/shorts/

【イベント情報】
TVer 10th Anniversary Event in SHIBUYA PARCO
2025年10月25日(土)・26日(日)11:00〜21:00
渋谷PARCO前 公園通り広場

【公式ハッシュタグ】
#TVer10th

【LINEスタンプ「TVer×いらすとや」】
2025年10月28日(火)〜11月24日(月)無料配布

テレビが“古いもの”と呼ばれた時代は終わった。TVerが描こうとしているのは、「テレビをもう一度、文化として再定義する」挑戦。私たちはその“Next-Vision”を、どんなスクリーンで見ることになるのだろう。

Top image: © 株式会社TVer
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。