Z世代にとって現金はもはや存在しないお金?ウォレットを持たない若者が急増中
Z世代へのプレゼントとして財布を選ぶのは、もはや時代遅れかもしれない。近年、デジタルウォレットの普及が進み、若年層を中心に現金の価値観が大きく変化しているようだ。
モバイル決済の普及と現金利用の減少
Juniper Researchの調査によると、世界人口の約半数にあたる44億人がデジタルウォレットを利用しており、この数は2030年までに35%増加すると予測されている。
特に24歳以下の若者にとってスマートフォンでの決済は当たり前の行為となっており、連邦準備制度理事会(FRB)の2025年の報告書によれば、彼らの購買の45%がモバイル決済で行われているという。
一方で、現金が利用される割合は全体のわずか14%にまで低下している。
McKinseyの2024年の調査では、米国と欧州のデジタルウォレット利用者の5人に1人が物理的な財布を持たずに外出することが多いと回答しており、英国の非営利団体Link Schemeによれば、18〜24歳の英国人のうち、財布や小銭入れを日常生活の必需品と見なしているのはわずか38%に過ぎないそうだ。
Z世代にとって現金は「お楽しみ用」の架空のお金
こうした決済手段の変化は、お金に対する意識にも影響を及ぼしているらしい。
年長者にとって現金こそが「リアルなお金」であるのに対し、若者にとってはボードゲームの通貨のような感覚に近いのかもしれない。
ロサンゼルス在住の26歳の女性は、10年以上財布を持っておらず、たまに手に入る現金は「存在しないお金」のように感じられ、自分へのご褒美としてすぐに使ってしまうと語っている。
かつてクレジットカードでの支払いは支出を増やしやすいと言われていたが、Z世代の間ではその傾向が逆転しつつあるようだ。
Cash Appの調査によると、Z世代の54%が現金だと無計画に使いがちだと回答している。すでに銀行口座から引き出された現金は、月末に請求書として突きつけられるクレジットカードの利用額に比べて、重要性が低く感じられるのかもしれない。
デジタル化の落とし穴と現金の重要性
しかし、完全に現金を手放すことにはリスクも伴う。プラハ在住の28歳の女性は、財布を持たずデジタルウォレットとIDアプリだけで生活しているが、旅行中にトラブルに見舞われた経験があるという。
ウクライナでの停電時やイタリアでの券売機故障時に現金が必要となり、見知らぬ人に助けを求めたり、罰金を支払わされたりしたそうだ。






