接客中の若者が向ける無表情な視線、Gen Z stareをめぐる世代間のすれ違い
ミレニアル世代とZ世代の価値観の違いは、これまでも様々な形で議論を呼んできた。ファッションの好みからコミュニケーションスタイルに至るまで、その溝は埋まる気配がない。
そして今、SNS上で新たな論争の火種となっているのが“接客中の視線”だという。
TikTokを中心に『Gen Z stare』と呼ばれるこの現象は、世代間の認識の違いを改めて浮き彫りにしているのかもしれない。
『Gen Z stare』の意味は?
食い違う二つの解釈
『Gen Z stare』は、主に接客業に従事するZ世代の若者が、客からの当たり障りのない世間話に対し、言葉を返す代わりに無表情な視線を送るというもの。
この行為が何を意味するのか、TikTokを舞台に活発な議論が交わされているようだ。この視線は、単なる癖なのか、あるいは何らかの意図が込められたサインなのだろうか。
この現象の解釈は、視線を受け取る側と送る側とで大きく異なっている模様。
視線を受け取ったと感じるミレニアル世代などの非Z世代は、これをZ世代のコミュニケーション能力不足の表れと捉える傾向にあるらしい。見知らぬ人との気軽なやりとりに戸惑い、脳がフリーズしてしまったかのような反応だと受け止める声がある。
一方で、視線を送る側のZ世代は全く異なる主張を展開。彼らにとってその視線は、相手が愚かな言動をしている際に、そのことに自ら気づくのを待っている間の意思表示なのだという。
つまり、沈黙の指摘というわけだ。このように、同じ現象をめぐり、世代間で真逆の解釈が生まれている状況がある。
一過性のトレンドという見方も
このすれ違いについて、あるTikTokユーザーは、Z世代が困難な顧客対応に直面した際、すぐに行動せず解離状態に陥ることを正当化しているだけではないかと指摘した。
まるで自分たちが初めて困難な顧客と対峙する世代であるかのような態度だ、との厳しい意見。
しかし、これには反論も多いようだ。Z世代は社会人として働き始めたばかりで、まだ接客業の経験が浅いだけだという擁護の声。経験を積むにつれて臨機応変な対応ができるようになり、この習慣もいずれなくなるだろう、という楽観的な見方も示されている。
結局のところ、この話題は一過性のものに過ぎず、世間の関心はすぐに別の社会的なミクロな事象へと移っていくだろうと予測する向きもある。






