Z世代はもう忘年会に行かない? リアルな「繋がり」を求める若者の本音
年末年始の風物詩といえば、煌びやかなイルミネーションと、友人や同僚と楽しむ忘年会を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、長引くコロナ禍やライフスタイルの変化に伴い、かつての賑やかな忘年会の風景は、少しずつ変化しているようだ。
すすむ“忘年会離れ”の現実
「株式会社クロス・マーケティング」が実施した忘年会に関する調査によると、「今年の忘年会の予定は?」という問いに対して、「行った/行く予定がある」と回答した人は全体のわずか34.1%だった。いっぽう、「忘年会に行かない/行かないと思う」と回答した人は65.9%にのぼり、忘年会離れの傾向が浮き彫りとなった。
忘年会は「苦痛」
若者が本音を吐露
「会社の忘年会、正直面倒くさい」「行きたくないけど、断りづらい」。そんな声が聞こえてきそうだが、実際のところはどうなのだろうか。同調査で「忘年会に対する気持ちは?」という問いに対して、もっとも多かった回答は「忘年会には行きたくない」で52%を占めた。
忘年会に行きたくない理由として、従来型の忘年会に潜む長時間拘束、過剰な飲酒の強要、上司への気遣いといった要素が、若者にとって大きなストレスとなっている可能性も考えられる。
「飲みニケーション」はもう古い
少人数でサクッと楽しむのがトレンド
では、若者はどのような形の忘年会なら参加したいと感じるのだろうか。
同調査で「どのような忘年会がいいと思うか」という問いに対して、もっとも多かった回答は「久しぶりに会う知人・友人と飲みたい」で、男性27.8%、女性28.5%という結果だった。続く2位は「なるべく少人数で飲みたい」(男性23.3%、女性26%)、3位は「一次会ですっきりと終わって帰れるようにしたい」(男性16.2%、女性21.3%)と続き、従来の大人数で長時間の飲酒中心の忘年会から、少人数で短時間、食事も楽しむスタイルへの変化が見られる。
これは、忘年会に対する価値観の多様化を表していると言えるだろう。従来の「飲みニケーション」重視から、個々の時間を大切にしつつも、親しい仲間と有意義な時間を共有したいと考える人が増えている結果ではないだろうか。
お酒で失敗は避けたい! スマートな忘年会を楽しむ秘訣とは
忘年会での飲酒は、楽しい時間をさらに盛り上げるためのスパイスとなるいっぽうで、時としてトラブルの原因にもなり得る。同調査では、忘年会で「お酒を飲みすぎてやらかしてしまった経験がある」と回答した人が30%にのぼった。その内容は「我慢できずトイレ以外の場所で嘔吐してしまった」(19.7%)、「記憶をなくすほどお酒を飲みすぎてしまった」(18.8%)、「飲みすぎて介抱された、介抱した」(17%)など。
楽しいはずの忘年会で、周囲に迷惑をかけたり、後悔するような事態は避けたいもの。近年では、アルコール度数の低いドリンクやノンアルコール飲料も充実しており、無理なく楽しめる選択肢が増えている。
忘年会は、一年の労をねぎらい、仲間との絆を深める貴重な機会。しかし、時代の変化とともにその形も柔軟に変えながら、参加者全員が心地よく過ごせることが重要になっているのかもしれない。