Z世代の間で流行る「意識的な退屈」で集中力は回復するのか
過剰な情報刺激にさらされ続ける現代において、Z世代の間であえて「何もしない時間」を作り出すトレンドが生まれている。
TikTokなどで見られる「Rawdogging Boredom(生身で退屈に向き合う)」と呼ばれるこの行動は、スマートフォンなどのデバイスを置き、外部からの刺激を一切遮断して過ごすというものだ。
いわばデジタル・デトックスの極端な形態とも言えるこの試みは、低下の一途をたどる現代人の集中力を取り戻す鍵となるのだろうか。
© user5263946385/TikTok
一時的なリセットではなく習慣化が必要
専門家らはこのトレンドに対し、一定の理解を示しつつも慎重な見方をしている。
何もしない時間は創造性や深い思考を育む土壌となり得るが、単発的なイベントとして行うだけでは根本的な解決にはならないという。
スキルとして定着させるには、意識的かつ定期的な実践が不可欠だそうだ。SNSでの話題作りとして一時的に行うのではなく、日々の生活の中に「退屈」を取り入れる習慣が重要になるかもしれない。
また、急激に全ての刺激を遮断することへの懸念も指摘されている。
恐怖症治療における暴露療法のように、いきなり過度な負荷をかけることは逆効果になる可能性があるという。
まずはリラックスできる方法を見つけ、短い時間から少しずつ退屈に慣れていくような、段階的なアプローチが推奨されているようだ。
集中力という貴重な資源を守るために
スクリーン上での平均的な集中持続時間は、かつての数分から今や秒単位にまで短縮していると言われている。
アテンション・エコノミー(注意経済)によって断片化された現代社会において、一つのことに集中し続ける能力は危機に瀕しているのかもしれない。
自分自身や大切な人、意味のある活動に注意を向けるためにも、意識的にデジタルデバイスから離れる時間を持つことは、現代人にとって必要な訓練と言えるだろう。
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