Z世代の避妊意識低下:その背景にあるもの

デジタルネイティブ世代として、性の情報にも容易にアクセスできるZ世代。しかし、その裏側で、避妊に対する意識の低さが、静かに危機を招いているかもしれない。

「New York Post」で紹介された「世界保健機関(WHO)」の警告によると、性交渉時にコンドームも避妊薬も使用していない15歳の若者が、約3人に1人にのぼることが明らかになった。さらに、避妊をする場合でもピルがコンドームを上回る傾向が見られるという。

国境を越えて浮き彫りになる意識の差

ヨーロッパ諸国を対象とした調査では、国によって避妊具の使用率に大きな差が見られる。女子の場合、アルバニアでは24%、セルビアでは81%と、その差は歴然だ。男子においても、スウェーデンで43%、スイスで77%と、同様の傾向が。

“性”の情報過多が招く新たな課題

避妊意識の低下。その背景には性教育の不足や、インターネット上にあふれる情報の真偽を見極めることの難しさがあるのかもしれない。手軽に情報を得られるようになった反面、信頼できる情報を選択するリテラシーが、これまで以上に求められているのは間違いない。

性感染症の増加や予期せぬ妊娠、そして中絶。WHOは、避妊意識の低下がもたらす影響がヨーロッパ全体に波及する可能性を危惧している。

多様化する選択肢と
情報リテラシーの必要性

また、ピルや緊急避妊薬など、避妊の選択肢が増加したことも影響していると考えられる。だとしても、やはり重要なのはそれぞれの方法のメリット・デメリットを正しく理解し、自分の体やライフスタイルに合った方法を選択すること。

ネット上に氾濫する情報の真偽を見極める「情報リテラシー」は、避妊に限らず、あらゆる場面で必要とされるスキルと言えるだろう。パートナーとのコミュニケーションはもちろんのこと、正しい知識を積極的に学び、自分自身を守ること。自分自身の健康と未来を守るための「正しい知識」を身につけていきたい。

👀GenZ’s Eye👀

これまでリスクを無視して快楽のために行動した人類が、いったいどれだけの失敗をしてきたか。歴史がそれを証明しているはず。たとえそれがコンドームの不使用というミクロの話だったとしても……。

今年の上半期、月9ドラマで話題を呼んだ『海のはじまり』。中絶や家族に関する内容が残酷に描かれながらも、若い世代には大きな反響があった。こうした、テレビドラマなどにどれだけの力があるのか定かではないが、社会全体でこれからやって来る小さな命を真剣に考える時間は必要だと感じた。

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