「イケメン」の定義もアップデート!? 美容意識調査が映し出す、Z世代の「多様性」と「共感」

肌がきれいな男性は素敵だと思う」。そう答えた人が8割を超えているという調査結果がある。「株式会社リクルート」が運営する、美容に関する調査研究機関「ホットペッパービューティーアカデミー」が2024年9月に実施した「美容に関するサステナビリティ意識調査2024」では、現代の美容意識を映し出す、興味深いデータが明らかになった。

ジェンダーの壁を超えて広がる
「美しさ」の新たな基準

同調査によると、「男性が美容を気にするのは自然なことだと思う」と回答した人の割合も7割を超え、「きれいな男性」という言葉に対しても肯定的な意見が7割近くに達した。さらに、男性の長髪についても、全体では約7割、15~19歳の層では77.1%が肯定的に捉えているという結果も出ている。

これらの数字は、これまでの固定観念にとらわれない、ジェンダーレスな美意識が社会全体に広がりつつあることを示唆していると言えるだろう。

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「どっちもアリ」が当然?
ヘアカタログに求めるボーダレスな感性

同調査では、美容室や理容室で渡されるヘアカタログに関する興味深いデータも明らかになっている。全体では、「男性用」「女性用」それぞれのヘアカタログを希望する人が8割近くを占めているが、15~19歳の層では「両方見たい」と回答した人たちが、男女ともに2割強と、他の年代と比べて高い傾向を示した。さらに、性別の質問で「無回答/あてはまらない」と回答した人においては、その割合は45.5%にものぼる。

これは、若年層を中心に、性別に関係なく、様々なヘアスタイルに対して、柔軟な興味や関心を持つ人が増えていることを示唆していると言えるのではないだろうか。

「ホットペッパービューティーアカデミー」研究員の田中氏は、「美容室・理容室においてヘアカタログを提供する際には、性別によって提供するヘアカタログや雑誌を決め付けず、まずは両方お見せすることも潜在的な顧客満足につながる可能性があります」と述べている。

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「SDGs」「LGBTQ+」……
美容業界の未来を担う、Z世代の視線

同調査では、サステナビリティに関するキーワードの認知度についても調査を行なっている。その結果、全体でも15~19歳の層でも、「SDGs」「LGBTQ+」といった言葉の認知度が上位を占め、特に15~19歳では約7割に達した。また、「ジェンダーフリー/ジェンダーレス」「性自認」「性的指向」といった、性の多様性に関する言葉の認知度も、15~19歳の層では全体と比較して高くなっている。

これらのデータから、若年層を中心に、環境問題や社会問題への意識が高まっていることが読み取れる。そして、それはそのまま美容業界に対しても、従来の価値観にとらわれず、多様性を尊重する姿勢を求める視線へと繋がっていると言えるのではないだろうか。

環境に配慮した商品開発や、ジェンダーにとらわれないサービスの提供など、美容業界がこれから取り組むべき課題は多い。しかし、そうした課題に目を向け、行動を起こすZ世代の感性こそが、これからの美容業界を、より魅力的で、より持続可能なものへと導く鍵になるはずだ。

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👀 GenZ's Eye 👀

男性専用のスキンケア商品が発売されたり、メンズメイクが紹介されたり、もはや美容は女性だけのものではなくなってきている。美しさのボーダーレス化は、私たちに美の多様性を教えてくれている。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。