中国Z世代の間で広がる「Stooping」というライフスタイル
「Stooping」という言葉、聞いたことがあるだろうか?
アメリカはニューヨークで広く定着しているカルチャーとみなされている“この風習”は、不要になった家具を玄関先(Stoop)に置いておくと、それを必要な誰かが持っていくという循環システム。
ニューヨークで見掛けられた「お宝」のような不用品たちを集めたIGアカウント「Stooping NYC」はSNS上でも人気を博しており、『Vouge US』が取り上げたことでも話題になっていた今注目のトピックだ。
そんな「Stooping」が今度は海を渡って、中国のZ世代の間でも広がりを見せているらしい。
今、なぜ「Stooping」が
中国のZ世代を魅了するのか……?
「Stooping」は、中国で「捡垃圾(意:ゴミ拾い)」という言葉と共に若い世代に認知され始めている。
同国で20歳の大学生である朱玄さんも、この「stooping」運動を実践している人物で、よく友だちとともに「宝物」を求めて上海の通りを探し回ることがあるという。
狭い路地や裏通りには、テーブル、椅子、マットレス、トイレボウルからバスタブまで、様々なアイテムが捨てられており、その中にはまだたくさん“使える物”があることに日々驚いているようだ。
伝統的な今までの中国人は、中古品を避ける傾向にあるとされてきた。事実、今では都市部に多くなってきたという古着屋だが、今も高齢者にとっては「古着=誰かに使い古された汚れたもの」というイメージがあるらしい。
しかし若い世代の間で、そんな伝統的な考え方が徐々に取り払われている。特に、中国のMZ世代は環境への意識も高く、この「stooping」はクールな活動として急速に拡大しているのだ。
楽しくて、環境に優しくて、お金もかからない
そんなコミュニティが中国各都市に出現中
中国の若者が多く使うソーシャルApp『小紅書』では、中国12以上の都市で「stooping」グループが結成されており、それらに関する投稿は数百万回の閲覧数を集めているらしい。
このグループには、不用品を無料で手に入れたい人だけでなく、環境保護に関心を持つ人たちも集まっており、彼らが社会において繋がるためのプラットフォームとして機能しているという。
新時代の循環型社会の在り方として、オンラインのプラットフォームを通したコミュニティの形成として、そして何より、お金をかけずに充足した生活を得られる手段として、「Stooping」の実践者は今後も増え続けそうだ。
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