ふるさと納税に「ごちそうさま」の返信を。北海道・白糠町が始めた手紙の交流

ふるさと納税で届いた段ボールを開けると、おいしそうな特産品と一緒に、見慣れない封筒が入っています。

表に書かれているのは「食べる前に読んでね」の文字。北海道白糠町が2026年9月に始めた新たな取り組みです。

午前2時に海へ出る漁師の姿を、
返礼品の箱から届ける試み

白糠町の返礼品に同封される手紙セット「SHIRANUKA LETTERS」の冊子見開き。タコのイラストと、寄付への感謝やタコ漁師が漁から出荷まで携わる様子を伝える文章が書かれている
© 北海道白糠町

白糠町によると、同町では返礼品を伴うふるさと納税を始めて約10年が経ち、累計の寄付者数は約290万人に達しています。

毎年多くの寄付が集まる一方で、これまでは品物が届いて味わったら終わってしまう関係になりがちでした。

そこで同町は、寄付者と地域のつながりを深めるため「SHIRANUKA LETTERS」という施策を立ち上げました。

第1弾の対象は、白糠町を代表する「柳だこ」と「水だこ」の返礼品です。2026年9月上旬の発送分から手紙が同封されています。

箱に入っている特製冊子には、タコ漁に携わる漁師4名の実名や年齢、漁歴のほか、午前1時に起きて午前2時に出港する日々の様子が描かれています。

消費して終わりから、返信用ハガキで
「ごちそうさま」を返す関係へ

SHIRANUKA LETTERSの返信用封筒とハガキ。ハガキには寄付者が感想を書き込める罫線と「from」「to Shiranuka」の署名欄がある
© 北海道白糠町

冊子では、漁師から加工業者、町の職員を経て寄付者の食卓へ届くまでの工程が、ひとつのバトンリレーとして表現されています。

美味しいタコがどのような人の手によって届けられたのかを知ることで、ただ食べるだけではない実感が湧いてきます。

さらに封筒の中には、返信用のハガキと宛先が印刷された封筒も入っています。署名欄には「from」と記されており、寄付者側が差出人になれる設計です。

食べた感想や「ごちそうさま」の言葉を書いて投函すると、その想いがそのまま現地の生産者へ届きます。

寄付金を納めて特産品をもらうという一方通行のやり取りを、人と人との温かな文通へと変えていく。白糠町の試みは、地域との新しい関わり方を教えてくれます。

SHIRANUKA LETTERS

【内容】特製冊子、返信用ハガキ、封筒
【対象返礼品】株式会社マルツボの「うす切り北海だこ」、株式会社釧路丸水の「旨味たこ」「たこわさび」「たこキムチ」
【問い合わせ】北海道白糠町ふるさと納税推進係
【公式サイト】北海道白糠町 公式ホームページ

Top image: © 北海道白糠町
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。