光と音で晴眼者と本気で戦う新時代の格闘技「Low Vision Boxing」

暗闇のリングで、プロの格闘家と正面から向かい合う。視覚に頼れなくても、相手の気配や拳の軌道を捉えて本気で打ち合う競技が開発されています。

広告会社の株式会社TBWA HAKUHODOやメディアアーティストの落合陽一氏らが開発を進める「Low Vision Boxing(ロービジョンボクシング)」です。

視覚の差を光と音に変換する
専用ギアの仕組み

4つのトラッキング機能(相手の位置認識、相手の攻撃認識、自分の攻撃のヒット判定、自分の位置把握)を示す図解
© 株式会社TBWA HAKUHODO

日本の視覚障がい者のうち、約7割から8割は視力が十分でなかったり視野が狭かったりする「弱視(ロービジョン)」といわれています。

多様なパラスポーツが存在する一方で、目が見える晴眼者と障害のある人が対等に本気で殴り合える格闘技は、これまで存在しませんでした。

自身も弱視である社会起業家の成澤俊輔氏と落合陽一氏は、「誰もが戦う本能を持っている」という思いから本プロジェクトを発案したといいます。

開発にあたり、相手の位置や攻撃の認識、ヒット判定といった格闘技に必要な視覚情報を4つに分類しました。

グローブや防具にセンサーや振動モジュールを内蔵し、立体音響を発するリングと連動させて、空間情報をリアルタイムで光や音に変換します。

見え方の違いをテクノロジーで解消することで、フェアなルールのもとで誰もが本気で打ち合える環境を目指しています。

暗闇のリングでプロと対決する
初の特別試合へ

ライブ配信画面風に選手データ・リングレーダー・距離などを表示したLow Vision Boxing試合イメージ
© 株式会社TBWA HAKUHODO

同競技は、戦う選手だけでなく観客の体験も大きく進化させることを目指しています。

暗闇の中でLEDの光や立体音響、打撃の判定演出を駆使することで、観戦者も直感的にリング上の激しい攻防を楽しめる体験を目指しています。

2026年12月5日には、福島県で開催される格闘技大会にて、元フェザー級王者のプロキックボクサー・小笠原瑛作選手と成澤俊輔氏による初の特別試合が予定されています。

この挑戦に向け、クラウドファンディングサイト「READYFOR」にて2026年11月15日まで開発支援の募集が行われています。

障害者を守る対象として捉えるのではなく、闘争本能をそのまま解き放つための技術活用は、インクルーシブな社会のあり方を大きく更新していくのではないでしょうか。

Low Vision Boxing 初試合(KNOCK OUT REBELS SERIES.16 特別試合)

【日程】2026年12月5日(土)
【会場】福島・KNOCK OUT 常葉アリーナ
【支援】READYFOR プロジェクトページ(2026年11月15日23:00まで)

Top image: © 株式会社TBWA HAKUHODO
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