見えない壁もテクノロジーで突破!誰もが楽しめる「ノールック運動会」
あなたは、「誰でも楽しめるスポーツ」と聞いてどんなものを想像するだろう?年齢や性別、体格差を超えて、誰もが等しく楽しめるようにと工夫されたスポーツは、近年ますます注目を集めている。しかし、視覚障がい者と健常者が共に楽しむスポーツとなると、なかなかイメージしづらいかもしれない。
そんな固定概念を打ち破る、まったく新しいスポーツイベント「ノールック運動会」が2024年11月23日に開催された。これは、「スポーツ弱者を、世界からなくす」をスローガンに掲げる「世界ゆるスポーツ協会」が、「Google」と共に実施したもの。
最新技術が導く
視覚障がい者も楽しめる新スポーツ
「ノールック運動会」の最大の特徴は、Googleの最新技術を活用し、視覚に障がいがある人も、そうでない人も、同じフィールドで競い合えるように設計された、まったく新しいスポーツの数々。
たとえば、「Project Guideline 30m/50m走」では、ランナーの腰に装着したスマートフォンが、地面に引かれたラインの色を認識し、コースから外れないように音声で誘導する。視覚情報がなくても、音声ガイドに従って全力疾走する姿は、まさにテクノロジーとスポーツの融合だ。
また、「Project Guideline 親子対決」では、アイマスクをした親と、視覚に障がいのある/ない子どもが、30m走のタイムを競い合う。日頃、子どもに「目をつぶって歩くのは危ない」と教える立場の親が、逆の立場を体験することで、子どもの世界への理解を深めることができる、画期的な取り組み。
その他にも、スマートフォンアプリ「Lookout」を活用し、周囲の音声情報からフットボールを見つけ出す「ボール多すぎボウリング」、視覚情報に頼らずに相手の位置を察知する「サングラス鬼」など、ユニークな競技が多数実施された。
「テクノロジーを使ってやる競技をはじめて体験したので、すごくおもしろかった」「Project Guideline があったほうが走りやすいと思った」など、参加者からは喜びの声が多数聞かれた。
テクノロジーが切り拓く、スポーツの未来
世界ゆるスポーツ協会は、2015年の設立以来、これまでに120種類以上の新しいスポーツを創り出し、誰もが楽しめるスポーツの普及に貢献してきた。今回の「ノールック運動会」は、テクノロジーの力でスポーツの垣根を更に低くし、多様な人々が共に楽しめる社会の実現に向けた、大きな一歩と言えるだろう。
「ノールック運動会」は、単なるスポーツイベントではなく、テクノロジーが切り拓く未来のスポーツの可能性を示唆していると言えるのではないだろうか。