疲れたら、森林浴に行こう。
なにを今更…という人もいるかもしれませんが、脳内に具体的な変化が見られたことは画期的な発見なのだそう。とくに、都会のストレスフルな生活に参っている人にとっては、参考になるかも。
以下に、「Expanded Consciousness」に掲載された記事を紹介します。
「自然の深いところを見る。そうすれば、全てのことがもっとよく理解できるだろう」アルベルト・アインシュタイン
山や森、砂漠など「母なる大地」から得られるものはたくさんある。それは都会では絶対に感じ取れないことであり、自然から得られる様々な要素は人間にとって治療薬にもなり得るものだ。ただ、これまで科学者達からはっきりと明言されていたわけではなかった。
しかし、2015年6月30日にスタンフォード大学のリサーチャーたちはその効果を発表した。自然の中を一定時間歩くことが脳内の一部に変化をもたらし、精神疾患などの治癒に役立つという。
スタンフォード大学が行った調査では、2つに分けたグループにそれぞれ自然の中と都会の道を90分間散歩してもらい、その前後で脳内の状態や心拍数、呼吸を計測、いくつかの質問に答えてもらいその違いを分析した。
分析の結果、いくつか生理学的な小さな違いが見られたが、大きな変化は脳に現れていたという。具体的には自然の中を歩いていた人々の前頭前皮質に変化が見られ、ネガティブな感情からくる緊張障がいなどを防止していたことがわかった。
調査に携わったGregory Bratman博士は、自然の影響が明らかな変化として確認されたことはとてもエキサイティングなことだと語っている。
ちなみに、この調査の結果では都会の中を散歩したグループには特に精神的なメリットになるような効果は見られなかったそうです。一方、森林浴はというとその他にも様々な効果が。
例えば、日本医科大学大学院医学研究科が公表している研究では、自然の中にいることでフィトンチッドと呼ばれる樹木などの傷口から発せられる揮発性の化学物質を受けることができ、その他様々な要因によりリラックス効果が生まれることが示されたとか。
その影響により、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少したり、免疫力や細胞内の抗がんタンパク質を増加、がんを予防するとも考えられているようです。
実はこれまでも、その心理学効果が掲示されている散歩コースは国内にいくつか存在しており、森林浴セラピーとも呼ばれ多くの人に利用されています。夏休み用のおでかけにはちょうどいいかも?
Reference:Stanford University.日本医科大学大学院医学研究科
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