今日から実践できる「判断力」の鍛え方。仕事もプライベートも劇的に変わる
仕事で成果が残せない、人生がうまくいかない…。こうした悩みの原因は、生まれ持った「能力」や「性格」ではなく、いかに適切な判断を積み重ねてきたかにあります。
結果として、「イメージと違う仕事」や「前に進めていない自分」が形成され、それが悩みとなっているのです。ここで、「判断力」を養うために、知っておくべきことを紹介します。
選択肢が多いほど
「即判断」は簡単にできる
SNSアプリが発達した情報過多社会。数年前からのこの急激な変化が、意思決定を困難にする最大の要因となっています。単純に入手できる情報、もしくは入手すべき情報が多すぎることで、選択肢の数が増え、最適なものがわかりづらくなっているのです。
しかし、だからこそ実は最も意思決定しやすい状況だともいえます。
なぜなら、リスクを取って少しでも速く意思決定するだけで、より大きなリターンを得られるようになったからです。
リスクを取るといっても、何も大げさなものではありません。誰よりも速く判断するという、「即判断」するために必要な“ちょっとした勇気”を持つこと。この少しのスピードがあなたの人生を変えていくのです。
やる?やらない?
リスクには2種類ある
リスクには「やるリスク」と「やらないリスク」の2つの種類があります。
前者は、たとえば物を買おうとした時に、他のお店の情報を得ずに1店舗目で購入するような場合。それ以上に優れた選択肢があるかもしれないという可能性を捨てるリスクがあります。
一方、後者は1店舗目でいい商品に出会ったものの、そこで即決せず、情報を得るために2店舗目、3店舗目を回ったことで、1店舗目の商品が売り切れてしまう可能性があること。2,3店舗目にその商品がなければ、せっかくいい商品を手にするチャンスがあったのに、それを棒に振ったことになってしまいます。チャンスに出会い、決断すべきタイミングがありながら決断しないのは、より悪い選択肢しか残らないというリスクがあるのです。
重要なのはどのような状況であれ、「やるリスク」より「やらないリスク」のほうがはるかに大きいということ。決断して得られる「果実」は想像以上に大きく、決断を引き伸ばすことによって得られる果実は想像以上に小さいのです。
「判断スピードの速さ」と
「利益の大きさ」は一致する
ほんの少しでも意思決定におけるスピードを速くし、わずかでも他の人よりリスクが取れれば言うことはありません。
誰よりも速く動くという「やるリスク」を取った人には、次のメリットがあります。
①最初に動いた人にしか得られない「先行者利益」が得られる②たとえ失敗しても、時間が残されているのですぐに修正できる③情報が少ない中での判断を重ねることで、判断力・行動力が身につく
一方、「やるリスク」を取らずに判断を先送りにした人にはデメリットしかありません。
①すでに多くの人が同じ利益を享受している②失敗したら、取り返しがつかず、挽回する時間も残っていない③チャレンジしていないので、経験として身につかない
リスクを恐れた人こそ、「成果もなく評価もされない」という最もリスキーな状況に陥り、リスクを積極的に取っていった人こそ、リスクは最小限になるのです。
毎日のランチメニューを
瞬時に決める
ランチを意識して決定することは、とても有効な「判断」の練習になります。ただし、悩み考え抜くのではなく、思い切って瞬時に店とメニューを決定していく訓練と捉えてください。
美味しくてコストパフォーマンスがよく、お店の評判が知れると、当然混み合います。業務を加味しながら、混まない時間帯にお店に着くには、何時にオフィスを出るのが最適でしょうか。もちろん、人数も関係します。1人だと混んでもすぐに入りやすいのですが、同僚から「ひとりぼっち扱い」を受けるかもしれません。2人以上だと相席になり、話の長い上司と一緒になる可能性もでてきます。
「何をどこで食べるか?」この単純な命題には、潜在的に意思決定すべき要素がたくさんあります。いままで意識していなかった「ランチの選択」を顕在化することを、ぜひ習慣化してほしいと思います。
歴史の教科書を
とことん読みなおす
不確実な未来を予測して判断する時に有効なのが、歴史の教科書です。有名な経営者の方でも、過去を教科書とする人はたくさんいます。
私のオススメは世界史と日本史を比較しながらとことん読んでみること。ただし、出来事を暗記するのが大事なのではありません。出来事を読み解く際は、「なぜ、それが起こったのか?」「次はどうするべきだったのか?」の2点を軸に考える習慣をつけてほしいと思います。
歴史が生まれる時の背景と選択肢を充分に把握し、なぜその選択をしたのかを知る。そのメカニズムを辿ることこそが、あなたの判断をより“キレる”ものへと仕上げます。
日常を「因数分解」する
もちろん難解な数式を因数分解するわけではありません。もし、一日の終わりに「今日はいい日だった」と思ったら、それがどういう要素に基づいているのかを「分解」して考えてみるのです。
重要なのは1回考えてみた後に、もう一度だけ他の要素がないか考えてみること。改めて考えてみると、思った以上にさまざまな要素があることに気づくはずです。
ぜひ、覚えておきたいのは、ネガティブなものに対しても、積極的に因数分解する習慣が必須だということ。むしろ、原因と結果がはっきりしているネガティブな出来事こそ、真っ先に因数分解するクセをつけるべきといっても過言ではありません。このことで選択肢を明確にする作業が効率的になり、「即判断」しやすくなるのです。
『「即決断する人は、なぜ成功するのか?』
コンテンツ提供元:サンマーク出版
サラリーマン作家。旅人。都内の企業に勤務しながら作家としても活動中。著書に『「即判断」する人は、なぜ成功するのか?』(サンマーク出版)、『世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書』(KADOKAWA 中経出版)、『新人マーケター乙女侍奮闘記』(東洋経済新報社)など。後者は「奇想天外なマーケティング授業」として韓国、台湾で翻訳されている。