カンタンかつ効率的な「記憶力向上メソッド」

新しい知識を得るために勉強しなければいけないのは社会人も同じ。ただ、学生の頃のように、簡単に時間を確保することはできないわけで。

それなら、科学的にも証明されているという、記憶力向上メソッドを取り入れてみるのはどうだろう。「Inc.com」のライターJeff Haden氏がまとめた、6つのオススメを紹介しよう。

01.
日常的に運動をする
散歩でもOK

日ごろの運動は記憶力の向上につながるという結果が、人間やネズミの脳を対象にした研究で出ている。年配者においては、運動が記憶力の低下を防ぐとまで言われている。具体的には、日ごろの運動は「空間記憶」を鍛えられると言われているので、すべての記憶力に効果的なわけではない。

もちろん、運動によりもたらされる効果はとても多いが、特に脳には記憶力以外にも認知能力に効果的であることが証明されている。つまり、散歩することによってボケ防止になるかもしれないということだ。

02.
何かを覚えておきたい時
ガムを噛む

他にも記憶力を良くする方法は、何かを学ぶときにガムを噛むことだ。反対意見もあるようなので確たる情報ではないが、昨年発表されたある記憶力をはかる研究では、ガムを噛みながら参加した人の方が結果が良かったということだ。

ガムを噛むことによって、記憶力とおおいに関係がある脳の「海馬」という部分の動きが活発になり、記憶力に影響を及ぼす。しかしなぜそれが起こるかはわかっていない。

また、ガムを嚙むことによって酸素量が多くなり、集中力を高める。これは、新しい情報を脳に送る時に効果的だ。ある実験によると、ガムを噛みながら勉強をして記憶力テストに望んだ人の心拍数は高かったということ。つまり、より多くの酸素を脳に送っていたということになる。

03.
カフェインを摂取
コーヒーは朝以降も

カフェインによって本当に記憶力が上がるかどうかは、はっきりとはわからない。ほとんどの研究では、何かを記憶する前にカフェインを摂取したからといって、効果があったという事実はない。

しかしある研究によれば、記憶にまつわる何かをした後に、カフェインのピルを摂取したことによって記憶力が向上したとされている。この実験では、参加者は画を見せられて、時間が経過してから同じ画、似た絵、そして全く違う画を見せられ、事前に見たものと同じものを選ぶというもの。

ポイントは、似た画に惑わされないこと。この過程は「パターンセパレーション」と呼ばれるものであり、研究者らによると「より記憶保持力を必要とするもの」である。研究者たちはカフェインによって記憶を固定することへの影響、つまり、すでに作り上げた記憶を“固める”ことに焦点を当てたのだ。研究者たちは、何かを覚えた後に摂取するカフェインの影響に注目したのだった。

これからコーヒーは、朝に目を覚ますためだけに飲むのではなく、日中仕入れた情報を保持するためにも飲むと良いかもしれない。 

04.
瞑想をする
一度ではなく続けること

脳のメモ帳的な「ワーキングメモリー」は、新しく得た情報が一時的に保管される場所。初めて会った人の名前やこれから行こうとしている場所の名前などはここに保管される。そして、必要がなくなれば記憶から消えるのだ。もし大事なことであれば、その情報は強化されて長期的な記憶として保存されることになる。

ワーキングメモリーは毎日使うものであり、強化されると、私たちの生活をより良くしてくれる。大人はだいたい7つの記憶をこのワーキングメモリーに保管できるが、もし最大限に活用していない場合は、瞑想によって強化できる。

「マインドフルネス瞑想法」を行ったことがない人でも、8週間で記憶力をあげられるとの研究結果がある。瞑想は集中力を高めてくれて、テスト勉強やワーキングメモリーの強化にも効果的である。

なぜ瞑想は記憶力に良いのだろうか。瞑想中、脳は情報の処理を停止するからだ。だから時には立ち止まり頭を空にしてみよう。ストレス発散にもなるし、物覚えが良くなるかもしれない。

05.
ブルーベリーを食べる

研究によると、ベリーを食べることによって記憶力低下の防止につながると言われている。

University of Reading and the Peninsula Medical School の研究によると、普段の食生活にブルーベリーを追加するというのを12週間続けたところ、空間記憶に効果的だったという。3週間たった頃から効果が見え始めたとのことだ。

長期的なベリーの研究によると、70歳以上の看護師が毎週2食分以上イチゴとブルーベリーを食べ続けたところ、記憶力低下に適度な効果が見られた。(しかしイチゴの効果は疑わしい。なぜならこの研究はCalifornia Strawberry Commissionからの資金によって行われ、また別の研究によると、イチゴは毎日4.5㎏ほど食べないと効果が見られないとされているからだ)

なので、もう少し研究が必要なようだが、ベリーのはっきりとした脳への影響の結論に少しずつ近づいてはいるよう。特にブルーベリーにはたくさんのフラボノイドが含まれており、脳内のつながりを強化してくれるので、長期的な記憶に効果的と言えるのかもしれない。

もし記憶力にあまり効果がなくても、ベリーは体に良いのです。

06.
とにかく寝る
できれば昼寝も

睡眠は記憶力にとって一番大事なものの一つ。寝ている間に記憶はかたまるから十分な睡眠なしでは物覚えが悪くなるのも納得だ。

短い昼寝でも効果はある。ある研究で、記憶力をテストするために絵が描かれたカードを一式、参加者に覚えてもらった。その後、40分の休憩をとり、あるグループは昼寝をして、もう一つのグループは起きていた。40分後、記憶力テストを実施したのだ。

驚くことに、昼寝をしたグループの方が圧倒的に良い結果が出た。起きていたグループの60%の正解率に対して、昼寝したグループは80%だった。

研究によると、覚えたての記憶はまだ壊れやすく忘れやすい。次から次へと覚えることがある時だと特に。昼寝をすることによってそれらの記憶は脳の「もっと永久的な記憶倉庫」である新皮質に送られて、新しい情報に上書きされることがなくなる。 

何かを記憶した後に睡眠をとることも大事だが、新しい情報を得る前に睡眠をとることも重要だ。睡眠不足は新しい記憶を残し、強化することを防いでしまうから。

Licensed material used with permission by Jeff Haden
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