大人になってから「勉強」するなら、この4つの記憶術を
キャリアアップのため、仕事をしながらTOEICや漢検を受験している人も多いはず。学生の頃あれだけ記憶できたのに、大人になって物覚えが悪くなった……と落ち込んでいる人もいるのではないでしょうか?
ここでは、偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さんの書籍『「捨てる」記憶術』より、新しい視点の勉強法を紹介します。
01.
合わない参考書や問題集は捨てる
「もったいない」は時間のムダ
参考書や問題集には相性があります。いわゆる「定番」と呼ばれるものも存在しますが、それでも人によっては合わないことがあるのです。
定番の参考書や問題集だからといって、中身を見ずに買うのはおすすめできません。書店に足を運んで、自分の目で確かめて「この本ならば、自分でも覚えられる」と思えたとき、はじめて買うべきだと思うのです。
買って気に入らなければ、遠慮なく捨てましょう。合わない参考書や問題集を使い続けるのは時間のムダです。1,000円や2,000円をケチって合格できなかったら目も当てられません。
02.
アウトプットを身につける
どれだけたくさんの知識をインプットしても、うまくアウトプットできなければ結果はでません。
私が受験生の頃は、参考書を読む前にいきなり問題集をやることがありました。
出来のいい問題集は、ヘタな参考書よりも端的に解説がまとまっているので、それだけでアウトプットとインプットを同時にできます。
試験に出る問題はパターンが決まっているものが多く、過去問が繰り返し出題されたり、少し改変して出題している場合がほとんど。パターン化された問題を覚えるという意味でも、問題集はいい練習になるのです。
03.
短期記憶を
長期記憶にする方法
記憶には、「短期記憶」と「長期記憶」の2種類があります。
定期試験前に一夜漬けで覚えたことが、テストを終えた途端に忘れてしまったことは誰でも経験があるでしょう。それは、試験が終わって気が抜けたからではなく、一夜漬けで覚えたことは脳の「短期記憶」に入ったものの、「長期記憶」には移行しなかったからです。
短期記憶は脳のなかの「海馬」に保存されます。海馬に保存できる期間は、最大で1~2週間。一方で長期記憶は、「側頭葉」に保存され、容量もケタ違いに大きいのが特徴。
短期記憶に置かれた情報のうち、脳が「これは覚えておこう」と判断した情報のみが、長期記憶に移行されるのです。長期記憶されなかった情報は、そのままにしておくと自然に消えてしまいます。
大切なのは、短期記憶を長期記憶に移し変えること。では、どうすればいいのか?
これには「反復」しかありません。同じ情報が繰り返し海馬にやってくると、海馬は「長期記憶に移行しよう」と判断して、側頭葉に運んでくれるのです。
平凡な結論かもしれませんが、記憶力の基本は「反復」なのです。
04.
1日1回、短時間でも
勉強することの意味
毎日の勉強は、たとえてみれば脳の筋トレのようなもの。正しい筋トレを続けていれば必ず筋肉がつくように、勉強の実力も間違いなくついてきます。
つまり、筋トレを長期間サボっていると筋肉が落ちてしまうように、せっかく長期記憶に収めた内容も、鍛えなければ徐々に忘れてしまいます。
仕事が忙しくなると、勉強に割く時間がなくなるという人が多いでしょう。通勤の途中だけでもいいので、本を開いて勘を鈍らせないことが大切です。