本気で勉強をしたいとき、恋人の存在はプラスかマイナスか。
彼氏や彼女の存在は、勉強をするにあたってプラスになるのか、それともマイナスになるのか。
たとえば、受験期間は異性との交際を我慢してストイックに勉強に取り組むほうがいいのか、それとも恋人の存在がモチベーションになって勉強の効率が上がるのか、なかなか一概には言うのは難しいかもしれません。
ここでは、勉強法のカリスマ山田浩司さんの著書『受かる勉強33のルール』のコラムを参照に、本当のところはどうなのか探っていきましょう。
とくにアメリカでは
社会的な問題に…
これまで、科学的な研究の多くは「異性との交際は学校成績の低下につながる」という結論を導き出しています。
とくにアメリカにおいて、早すぎる異性との交際が、10代の妊娠率を上昇させて、宗教上の理由で中絶できないときに進学という選択肢を奪うという形で社会的な問題ともなっています。
では、性行為のないカジュアルな交際だったら?
本当に学習のデメリットにしかならないのでしょうか?
「適度な交際」は
勉強にもプラス?
この問題に、暫定的な答えを出している研究があります。
それが、2013年の「Evaluating Impacts of Early Adolescent Romance in High School on Academic Outcomes(高等学校における早期青年期のロマンスが学術成果に及ぼす影響の評価)」。
この研究では、中学3年生の男女約3,000人に異性交際のありなしと、追跡調査による高校卒業率や大学、短大進学率を調べたもの。グループはまず3つに分類。
1:異性交際していない学生(デートに行かない)
2:適度に異性交際をしている学生(週1回以下、性行為なしのデート)
3:頻繁に異性交際をしている学生(週1回以上、もしくは性行為ありのデート)
結果は…?
・20歳までの高校卒業率が
1:85% 2:86% 3:73%
・大学 短大進学率が
1:66% 2:71% 3:59%
一見してわかるように、頻繁に異性交際している「3」の学生は、最低にランクになっています。ただ、適度に異性交際している「2」の学生が一番高い数値なのは注目したいところ。つまり「性行為」を排除した場合、むしろプラスになっているのです。
大切なのは
お互いに高め合うこと
学生でこの結果は当然のような気もしますが、中学生や高校生などでの早期性行為は、学力に大きな弊害をもたらすでしょう。
頻繁なデートや性行為は勉強の時間を奪うばかりではなく、感情のコントロールがまだうまくできない子どもたちをトラブルに巻き込む危険性が高いのです。子どもたちは、交際がうまくいかなかった場合にネガティブになりやすく、それは勉強に集中できない大きな原因になります。
一方で、週1回以下の適度なデートは、勉強の時間を損なわないうえに、社交性や対人知能を発達させるのに有益だと見られています。
デートを経験することで自分に自信がつけば、勉強のパフォーマンスも良くなるでしょう。またパートナーの存在は、落ち込んだときに精神的なサポートになるうえ、ふたりで一緒に勉強することで、効率が上がる可能性も秘めています。