仕事がつまらないと感じたら、思い出して欲しい「6つのヒント」
仕事がつまらない…。と、感じることはありませんか?私は長年同じ職場に勤めましたが「仕事に飽きた」ことはいちどもありませんでした。少しの気付きで、モチベーション高く仕事を続けることができるのです。仕事にやりがいを見つけるヒント、参考にしてみてください。
01.
「好き」の気持ちを
いつも再確認
1986年、まだ客室乗務員の呼び名が「CA」ではなく「スチュワーデス」だったころから、私は長い間フライトをしてきました。
これといった資格や才能があったわけではない私が、長く仕事を続けられた理由。それは、「飛行機」という乗り物が大好きだったからです。羽田のANAの客室部の窓から、ステイ先の空港の窓から、また休日にふと見上げる空に…。飛行機を眺めると、いつも「美しいなあ」と見とれてしまいます。「あんなに大きくて、大勢の人を乗せた飛行機が空を飛んでいるなんて、人の叡智ってすごいな」と日々、感動を覚えます。CAを始めたころから、その気持ちはまったく変わっていないのです。
今の仕事を選んだきっかけを、思い出してみてください。好きだった、憧れだった、感動した。原動力はそこにあります。
02.
限られた条件下での工夫こそ
腕の見せどころ
多くの仕事にはマニュアルがあります。CAも同じです。そこから大きく外れることはできません。ただ、その場その場で求められていることを真剣に想像しながら、サービスのやり方を少しずつ変えることはできます。
たとえば沖縄へ向かう便なら、ほとんどがレジャーにお出かけのお客様。なるべくフライトを楽しい気分で過ごしていただけるよう、お客様に積極的に話しかけます。逆に沖縄から羽田へ向かう便は、レジャー帰りで疲れていらっしゃるお客様が多いので、静かな機内を心がけます。大阪便はほとんどビジネスのお客様。新聞、とりわけ「日経新聞」のリクエストが多くなりますので、限られた部数でも皆様に行き渡るようCA同士で連携をとったり、乗り慣れたお客様の割合が高いので、毛布やキャンディをお客様の手に取りやすい場所におくなどの工夫をします。
できる範囲でどんな工夫をするかは、腕の見せどころ。頭を使うことも、仕事の楽しみのひとつです。
03.
瞬発力のある会話は
知識と教養から
お客様からいただく質問には確実にお答えすることが大事です。私はANAのこと、空港のこと、飛行機内での決まり、機内販売で取り扱う商品のことなど、日ごろからいろいろな知識を蓄え、ブラッシュアップするようにしていました。
また、仕事での「一期一会」を大切にするには、仕事の知識だけではなく、内面の教養を深めたり感性を磨いたりする自己研鑽が必須です。印象に残る会話を交わすには瞬発力が要りますし、的確な言葉で表現できるボキャブラリーの豊かさや、言葉を選ぶセンスも求められます。
お客様と常に「満足のいく会話」を交わすのは簡単なことではありませんが、予測のつかない面白さがあります。だからこそ、がんばる甲斐があるというものです。
04.
チームワークで「最高」を目指す
CAは一人ひとりがプロフェッショナルとして行動していますが、どんなにスキルが高く経験を積んだCAがそろっていても、チームワークがうまくいかなければ、客室内の仕事はどこかギクシャクしてしまいます。
現場はいつも想定どおりとはいかないもの。特に短時間のフライトであるほど、ひとりのCAの力よりチームワークが試されます。何かひとつが滞っただけで、全体のサービスがどんどんずれてきてしまうからです。
限られたスケジュールのなかで全体が円滑に進んでいるかどうか、お客様のリクエストに応えられているかどうか。隙間をフォローしてチームワークで最高の仕事を目指す、これも仕事の面白さです。
05.
自分を支えるのは、
自分の努力であり、
他人の努力でもある
「CAの仕事は危険なんじゃない? 事故とかテロとか…」
そう人に聞かれることもあります。私自身は大きな事故に遭遇したことはありませんが、私たちCAは全員、万が一に備えて、とても厳しい訓練をしています。
それに加えて航空機はそもそも何重もの安全対策を施した設計であること、整備士やコックピットクルーがいつも全力を尽くしていることを知っています。CAがすべてのフライト前に行っている客室の安全チェックも、容易にはご想像いただけないほど緻密なもの。積み重ねてきた安全性への努力を私は心から信頼しているので、事故の面で不安を感じたことはいちどもありませんでした。
自分の努力は自分を支えます。そしてあなたの仕事はさまざまな人に支えられていますし、同様に、あなたの仕事も見えない誰かを支えているのです。
06.
仕事にもいい影響が!
休日を利用して「個性」を育てる
働く日も大切ですが、それと同じくらい休日も大切です。私も自分の勤務サイクルにあわせて休日の過ごし方を工夫していました。
CAの勤務シフトは平日休日関係なく、フライト先での宿泊をともなう勤務もあります。そのため社外の友人と休日をあわせることは難しいのですが、考え方を変えれば、その分プライベートで習いごとをしたり、趣味を深める時間が十分にあるということです。
ワインを勉強したり料理を習いにいったり、日本の伝統芸術や季節の行事などを総合的に学ぶ、「雅道(みやびどう)」を習ったこともあります。イギリス人の講師にお願いして、英語のブラッシュアップも定期的に行っていました。会話に広がりのある「多芸」なCAが多い背景には、こうした休日があるのです。
『スーパーCAの仕事術』
コンテンツ提供元:里岡美津奈
人材育成コンサルタント。1986年全日本空輸株式会社(ANA)に入社。在職中、VIP特別機搭乗を務め、皇室、各国元首脳の接遇で高い評価を得る。2010年に退職。現在は人材育成コンサルタントとして、一般企業や病院でコミュニケーションスキルアップの指導にあたっている。